12弦ギターは美しくて楽しい:The Byrds「The Bells of Rhymney」

昨日、自部屋で埃をかぶっている12弦ギターを久しぶりにちょっと弾いたら楽しかった。リッケンバッカーとかそんなのではなくて、大昔に吉祥寺で買ったアイバニーズの安いアコースティック。ずっと弦が張りっぱなしでネックもだいぶ反ったはず。ただでさえ弦を2本一緒に押さえなければならない12弦は演奏しづらくて、あまり複雑なものは弾けない。バーズの曲は12弦のキラキラした楽しさが一番効果的に出ていて、しかも弾きやすいので、12弦を持つとやはり必ず弾いてしまう。ギター弾きとして特に好きなのがこれ。


間奏のギターソロがまた素晴らしくて、12弦ギターのトリッキーな特性がフルに生かされていてとてもゴージャスに聞こえる。これは実際に弾いてみないとなかなかわからないのだが、普通のギターの3~6弦に当たる4セットの弦が1オクターブ上を重ねて張られているので、すごく高い音を出しているように聞こえても、そんなにハイポジションを押さえなくてよかったりする。この映像のロジャー・マッギンの演奏ぶりを見ても、ソロのフレーズの一部はまったく弦を押さえず開放弦だけで弾いている。「The Bells of Rhymney」のギターをコピーするのはそれほど難しくない。面白くて美しい。

バーズのロジャー・マッギンがトレードマークのリッケンバッカー12弦を持つようになったのは「A Hard Day’s Night」でこのギターを導入したジョージから直接影響を受けたから、というのは広く知られている事実。全ジ連ギター弾きとしても最重要ギタリストのひとりである。ジョージもマッギンから逆影響を受けたようで、「If I Needed Someone」のイントロのリフは「The Bells of Rhymney」と構造的にはほとんど一緒。基本のフォームをDからD7に変えて、高いポジションにカポをはめれば、ほかの要素はまったく同じなのである。でも単純なパクリなどでは決してなくて、この2曲のギターはまったく違う響きに聞こえるのが音楽の面白いところ。


ジョージが一番マッギンっぽい演奏をしているのは「アンソロジー2」に入っている「And Your Bird Can Sing」のアウトテイクだと思う。この曲はこのアレンジで笑わず真面目に歌ってるものを公式に出してほしい。このバージョンでのジョージの12弦は最高中の最高なのである。

後記:笑わず真面目に歌っているバージョンもとうとう出た。

バーズは高校生の頃に知って、初期~中期ビートルズの音楽の一番美味しい部分を12弦で増幅したようなジーン・クラーク在籍時の初期名曲群にすっかりやられてしまったのだが、全然違うメンバーでいわゆるカントリー・ロックをやってる時期のバーズは、自分は偏見を持っていて長年ちゃんと聴かないままだった。良さがわかったのは、「タイトルのないアルバム」などをSpotifyで聴くようになった本当に最近のこと。これについてはまた改めて書こうと思っている。

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