2020年ミックスの謎:George Harrison「Isn't It A Pity (Version Two)」

当ブログで何度か書いたように、ジョージの「All Things Must Pass」発売50周年記念で出されたアルバム本編の2020年ミックス、最高の出来でとても気に入っている。これはあくまで別ミックスということで、オリジナル版とテイクやアレンジが違うようなことは基本的にないはずなのだけど、微妙に違っているところも見受けられる。自分が今まで気付いた限りで、はっきりと認識できる(今ここで思い出せる)違いは2つ。1つ目は「What Is Life」で、今まで聴けなかったスライドギターのフレーズが1つ追加されている。


曲が一旦ブレイクして間奏が入った後の2分44秒、「What I feel」に合いの手を入れるギターが入っている。従来のバージョンにはかけらも入っていなかったもので、本当にちょっとしたフレーズだけど、最高である。これを聴かせてくれたのは、ジョージスライドを愛する全ジ連ギター弾きとしてはとても嬉しい。

もう1つが、本記事のタイトルにした「Isn’t It A Pity (Version Two)」でのアレンジ違い。これがかなり謎なのだ。


イントロから静かに進んできた後、スネアドラムがタタタタ……と入って曲が盛り上がってくる2分18秒あたりから、ストリングスと木管で奏でられる間奏のフレーズが、オリジナルより8分音符1つ分だけ後ろにずれているのである。小さい音量で同じフレーズを奏でる他の楽器はずれておらず、前面に出たストリングスと木管が、本来あるはずのメロディを幻のように遅れて追いかける演出に変わっている。どうしてこうなったんだろう?もちろん、2020年ミックスはダーニとポール・ヒックスがジョージの遺志を汲み、細部までこだわり抜いて作り上げた音のはず。ミックス時の間違いということはまず考えられず、意図的にこういう演出をしたのだろう。まるでディレイのエフェクトをかけたみたいな、幻想的な効果が出ている。それでも、入るべきところに音が収まらずに遅れて来るのが自分としてはかなり不思議で、あれれ?となってしまう。ネットをざっと検索した限りでは、この点に言及している記事は今のところ見当たらず、謎のまま。ほんとに小さな点ではあるけれど、最初に聴いたときから気になっている。どうしてオリジナルのアレンジをあえて音符レベルで変えたのか、いつか誰かがこの点を本人たちに突っ込んで聞いてくれないだろうか。

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