アビー・ロード50周年記念盤から「Something」の未発表デモや2019年ミックスを聴いた

2012年のデビュー50周年から始まったビートルズ50周年イヤーズも、とうとう解散が迫ってきた。もうすぐ出るアビー・ロード50周年記念盤から、すでに「Something」「Oh! Darling」「Come Together」の3曲が公式にストリーミング公開されている。それぞれ、ジャイルズ・マーティンによる50周年ミックスと未発表テイク、「Something」に関しては未発表デモも聴ける。

最初に公開されたのは「Something」のようで、8月上旬公開となっているが、自分は今週になってようやく聴いた。スタジオデモは「Anthology 3」で聴けたジョージ単独の弾き語りデモと基本的に同じ演奏のようだが、その上にジョージが多重録音したというピアノが加わって音が厚くなっている(後記:当初の投稿ではジョージがピアノと一緒に演奏した別テイクと書いていたけど、間違いだったので訂正)。ジョージ26歳のお誕生日、1969年2月25日に録音されたこのデモバージョンは、中間部にアドリブっぽく歌うパートが入っている。デモ版サムシングでしか聴けないこの熱いジョージのヴォーカル、自分は大好きである。この歌いっぷりからは、同日にタイトル曲のデモも録音された「All Things Must Pass」の世界が、すでに目の前に見えている。


ストリングスのみのインストテイク39というものも聴けて、癒やしのクラシック、もしくはジョージ・マーティン印のイージーリスニング版サムシングという感じ。セブンイレブンで流れていたら素敵だと思う。いや、べつに馬鹿にしているのではなく、あそこでは「Here Comes The Sun」と「Handle With Care」のイージーリスニングアレンジを聴いたことがあるのだ。意外な場所でジョージ曲に出くわして、おっ、と思った。近所のコンビニでウィルベリーズのメロディが聴けるなんて、素敵じゃないか。自分はジョージ・マーティンが66年に出した、ラバー・ソウル~リボルバー期のビートルズ曲をインストアレンジしたレコードを一枚持っていて、かなり好きである。曲によってはとても洒落の効いたアレンジがしてあって、さすがマーティン先生、なのである。

ジャイルズ・マーティンの50周年ミックスは、サージェント・ペッパーやホワイトアルバムと同傾向、全パートくっきりはっきりという感じ。「Something」では、父マーティンによるストリングスの流麗さが前面に出てきたほかに、あのジョージ一世一代の名演ギターソロのフレーズがひときわ明瞭に耳に届く。ジョージの名演には必ずある、一筋縄では解釈できない不思議な運指や音の並びがあのソロにもあって、特に5~6小節目が凄いのである。中でも6小節目最後の6音(コードはG)、自分はこの聞きやすい新ミックスでようやく正確に聞き取れた。弾き慣れた定番フレーズや指癖に頼った解釈が通用せず、ディテールを詰めれば詰めるほど謎が増していくジョージのギター。一生かけて追っていく。


ほかの2曲についても書くつもりだったが、「Something」から書き始めたら完全に全ジ連記事になってしまったので、今回はそういうことにする。以下、公式ストリーミングへのリンクだけ載せておく。これを書いている時点で「Come Together」はYoutubeには載っていなかったが、Spotifyで聴けた。(後記:直後にYoutubeでも公開されたのでそちらにリンクを差し替えた)

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