宇宙でひとりぼっち

これは前に書いた「でんでんむしのかなしみ」の続きみたいなものです。

なんやかんや忙しくて休みが取れなかったり、もともと寒い時期は気分が沈みがちだったりで、ネガティブな方向に心が落ち込みがちなここ最近。こういうときは昔の恨み辛みもしつこく復活してきて、気が付くとひとりでぐわーっと爆発しそうになっていたりする。誰も彼もがそれぞれの世界で楽しくやっているように見える。もちろん頭ではわかっている。誰もが悲しみを背中にしょったでんでんむしなのさ。

一方で、そのでんでんむしの殻の大きさ比べほど不毛なことはない。ネットで他人とやり取りをしていて史上最高に腹が立った出来事のひとつが、お前みたいなのがネガティブなことを言うんじゃない、世の中にはお前などよりずっと不幸な人間がいるのだ、自分の境遇を感謝しろ、という「不幸のマウンティング」をされたときだった。心の奥底から怒りを覚えた。しかし、いじけた思考にはまりがちなとき、自分もそれに近いことを思ってしまうかもしれない。自分がどれだけ他人より不幸かわめき散らしたところで、マウンティングされた他人は傷つくし、自分も救われない。まったく不毛なのだ。そんなことを言いたい気分になったら、ネットから離れて台所の皿洗いでもした方がずっといい。

クラスになじめず教室に居場所がなかった高校時代は毎日、弁当は午前中の休み時間に済ませてしまい(昔から早食いなもので)昼休みはひとりで校外の大きな墓地まで散歩に出ていた。しかしこれは決して悪い思い出ではない。そんな時間はウォークマンで音楽を聴いていた。中学生の頃に出会ったウォークマンは、周囲の世界が怖かった自分をまさに救ってくれた偉大な発明。音楽が守ってくれた。こんなふうに、どんな状況でも、自分と音楽だけの世界、ほかに何もない世界に引っ込むことさえできれば大丈夫。音楽を愛することができる自分は祝福されていると思う。

ジェフ・リンズELOの「Alone In The Universe」は冬に似合うと思う。2015年の11月に出たアルバムで、冬になった頃に深く深くはまり込んで毎日聴いていて、その季節のイメージが染みついてしまった。ジェフ・リンのサウンド、特にギターはエッジが丸くてモコモコした暖かさを感じるので寒い時期に聴くのが心地よい。宇宙でひとりぼっち、でも音楽があるから幸せ。このアルバムから自分が感じ取るのはこういうイメージで、そこが自分の核心の部分に触れてきて、不思議と居心地が良くて安心感が湧いてくる。自分と音楽だけ、ほかに何もない世界に浸ることができるのである。近年出会った、とても大切なアルバム。

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