昨日は明日だった今日が明日には昨日になる

年末年始、苦手とはいえ日本で暮らす日本人としてはどうしてもスルーできない。暮れ正月らしいことをしなければいけない気分になるし、自然とそんな成り行きになる。大晦日には、猫2匹の容赦ない突撃でボロボロにされてしまった障子の張り替えをした。年末にでもならなければ決してやる気にならない、何年かに一度しかしない作業である。まったく要領よく進まず、障子をダメにした張本人の猫からも作業妨害を受け、悪戦苦闘したわりに残念な出来に終わった。慣れない作業にぐったりと疲労を感じながら「生活のアマチュア」という言葉が脳裏に浮かぶ。生まれてから干支を4周もしたのに、生活のプロには到底なれない。普段はやりたいことだけやって適当に暮らしているが、年末年始にはこうやってまともらしいことをしなければならず、本当はまともじゃないのでボロが出る。干支を何周したって、全然まともになんかなれない。周囲が揃って休むから休まなければならない雰囲気になるが、行ける場所もできることも限られるし、とにかく退屈な上、日常やりすごしているものと直面させられ、なにかと軋轢が生じる。そんなこんなで年末年始はやはりどうしても好きになれないのだが。


Ring out the old, ring in the new. 正月のいいところは、昨日と今日の間に特別な線が一本引かれることである。この線が引かれることは年に一度だけ。そして、昨日までに積み重なった一年分の鬱屈や心配はいったん遠景に押しやられて、何となく楽観的な気分になれる。ジョージの「Ding Dong, Ding Dong」に出てくる「昨日は明日だった今日が、明日には昨日になる」という、一見ごく当たり前のような一節は、たしかに正月に特有の気分なのだ。昨日までは来年だった年が、今日からは今年。昨日は去年。これが年に一度だけ来る非日常の正月マジックである。去年のことなんかもう言うなよ、新年なんだから。普段はなかなかそんな気持ちにはなれない。昨日のトラブルをずるずる引きずって今日の朝が始まる。毎日が元旦みたいに、昨日のことなんかもう忘れようじゃないか、今日をいい一日にしようぜ、なんて気分で毎日新しく生まれ変われたらどんなに強いだろう。毎日が元旦だったらいいのに、とは全然思わないけど、昨日・今日・明日の境界線をきっちり引いて、今日にフォーカスして暮らしていきたい。今年がいい年になりますように。

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