今年のお盆はいつになく静かで、いつもどおり暑い

お盆は正月と並んで国民的に外せない行事だと言われるが、自分にはまったく実感がない。実家にいた頃もお盆に親たちが何かをしていた記憶がないし、もちろん実家を出てからもお盆だからといって親元に帰ったりしない。お盆や正月の時期には人々が帰省していって閑散としてしまうような東京に長年暮らしていたが、いま暮らしている地域は逆に、こういう時期は実家を出た若い家族が「じいじ、ばあば」の元に帰省してくる。いつもは静かだけど、お盆になると普段見知らぬ若い人たちや子供たちがたくさん現れて人口が増え、賑やかになる。庭先でバーベキューというのが帰省一家の定番のようで、肉を焼く匂いが街のそこら中から漂ってくる。路上で爆竹を鳴らして盛り上がる人々もいて、インドのお祭りを思い出すほど。お盆とはまったく無縁のよそ者としては、こんな地域ぐるみの賑やかさにどうしても疎外感を味わう時期でもある。でもそれも普通の年の話。

普通でない今年の8月15日は、とても静か。かろうじて、朝に木魚の音がポクポクと聞こえたぐらい。今年は夏祭りも花火大会もなく、ただただ厳しい暑さがあるだけ。今住んでいる古い借家にはエアコンが1台しかなく、パソコン作業をする部屋では扇風機に頼るほかない。きっと、かつての夏はそれで良かったのだろう。ここで暮らし始めたときも、最初の数年はまだ真夏でも何とかしのげる爽やかさがあったが、凶悪な猛暑だった一昨年あたりから本当にしんどくなった。もはやエアコンなしではちょっと無理なのだが、暑い時期より寒い時期の方が圧倒的に長い地域で、いつか出て行く借家にエアコンを増設するつもりもない。エアコンはなくても、標高はある。楽に登れる、すばらしい山が近くにいくつもある。立地の良さと扇風機で今年も猛暑をどうにか乗り切りたい。


最近見つけた、とても涼しい森の散策路。自宅から歩いて行ける。

2020年の今日は75年目の終戦記念日。今日も正午に市の防災放送で黙祷の呼びかけがあって、自分も暑い部屋の中で世界平和を祈った。今夜は外から大きめの花火の音が聞こえてきたので、急いで家の外に出た。今日は例年なら当地で大規模な花火大会がある日だが、今年は大小すべての花火大会が「密」を避けるために中止。予告なしに始まった今夜の花火は案の定、短時間で終わってしまったが、久しぶりに見た少しまとまった数の打ち上げ花火は、明るく、美しかった。毎年、終戦記念日に行われているこの花火大会は、終戦間もない混乱期に市民に明るい希望を持ってもらおうと始まったものだという。今夜打ち上げられた花火は、こんな静かなお盆の日、75年目の終戦記念日に、戦没者の慰霊のためにせめても、ということだったのかもしれない。サプライズ花火のおかげで、涼しい夜の空気に包まれ、つかの間の「いつもの夏」が楽しめた。

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2016年7月に撮った花火。いつもの夏が、早く戻りますように。

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