3月の最初に見た夢

昨晩は寝苦しかった。寝付きも悪かったが見た夢も悪かった。自分は北関東のどこか全然知らない場所を電車で移動していた。乗換駅だと思って降りた駅が間違いだったことに気づいたときには、乗っていた電車は走り去ってしまい、自分はまったく縁のない土地に取り残された。降りた場所は田舎のローカル線の無人駅で、もう夜になっていて後続の電車は今日中に来そうもない。仕方ないので別の移動方法を考えようと、暗くさびれた見知らぬ街をさまよい歩いた。日本とインドの小さな地方都市が混ざったような街だった。土地勘のない場所を夜にふらふら歩いたところで寂しさと不安が増すばかりで、もう車を借りてとにかく知ってる場所に出るしかない、とレンタカー屋を探すが、どのオフィスも雑然と散らかった状態で明らかに営業しておらず。当てもなく歩き回るうちに、これまた営業を終えたらしき薄暗い駅ビルのような場所を見つけて、もうここで夜を明かすしかないのか、というところで目が覚めた。時計を見ればまだ夜中の2時前。現実が夢とそのまま地続きのように感じた。しばらく眠れずじりじりしていたが、ようやっと寝付いたらその夢の後編を見ることになった。

夢の続きでは夜が明けていて、もう少し都会っぽく交通量の多い街道を歩いていた。その土地には数本の鉄道路線があるのだが、路線図を見てもやはり知らない地名が出てくるばかりで、自分が行くべき場所にはつながりそうにもない。どうやったら帰れるんだろう。とぼとぼ街道沿いを歩いているうちに電車の駅を見かけた気がして、引き返してよく見たら「東武東上線」の駅のようだ。この路線も自分にはまったく馴染みがないのだが、とにかく東京とつながっていることは分かる。東京に帰れれば何とかなるぞ、と少し安心した。そこから夢の記憶は東京に飛んで、誰か知り合いの部屋か何かにいて、というところで目が覚めた。今度は朝の普通に起きる時間。結局、3月の幕開けは一晩中この夢に前後編たっぷり付き合うことになって、朝からぐったりしてしまった。ああ、今の自分が現実に抱えている不安が余すところなく表現された夢ではないか。帰れてほっとした場所が東京だったのも、微妙に納得がいかない。

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この3月は、この土地で暮らせる最後の月。来月早々の引っ越しに向けて、自宅の片付けを進めなければならない。何だか自分は、今回の引っ越しがとても怖い。インド帰りが何を言っているんだ、遠距離とはいってもたかが国内引っ越しじゃないか、と思うのだが、穏やかな美しい川をボートで下っていて、徐々に流れの速度が上がっていって、行く手には先の見えない滝がどんどん近付いてくる、という感覚がこのところずっとある。その滝に落ちるまで、とうとうあと1か月だ。自分はおそらく、今暮らしているこの美しい土地が好きすぎるのだろう。しょせんは無縁のよそ者なのだが、できればここから離れたくない。でも、今はここに留まるべき時期でないこともよく分かっている。川の流れには逆らえず、滝には落ちるしかない。落ちた先がどんな場所なのか、事前にいちおうこの目で確かめてきた。家族親族は喜んでくれているし、ずっと懸案だった震災で家が崩れるリスクも減るし、自分でも納得した上で決めたことだ。心配事が本当に起こることなんてほとんどないんだよ、とトム・ペティは歌った。彼らしい優しさを感じるその言葉を頼りにして、今月は引っ越し準備に集中せねば。

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