Everything in its right place

お別れは突然やってきて、すぐに済んでしまった、という歌があったけど、本当にそんな感じで、先週まで家中を縦横無尽に走り回っていた小さな子猫は、4日前の土曜日からここにはいなくなって、よその家の子になった。子猫がもらわれるという話が本決まりになってからまだ一週間しか経っていないのに、もう何事もなかったかのように、元の大人猫2匹の静かな生活に戻った。引き取ってもらう際に一番のネックだったのは、先方のお父さんが猫好きではないことだったのだけど、子猫と対面してしばらくしたら「かわいいね」と言ってくれたし、ひとまず安心している。もちろんだ、かわいいに決まっている。あれを目の前にしてかわいいと思わないなんて、まずあり得ないことである。別れ際にも、子猫はそのお父さんの膝で丸くなって寝ていたので、これならもう大丈夫だろうと、そのまま失礼した。よその家とはいえ親族なので、その後の子猫の様子をちょくちょく知らせてくれる。思った通り、違う家にも即座に慣れて、すこぶる元気にやっているようだ。連れて行ったその日の晩にはご飯を勢いよく食べ、翌朝にはきちんとトイレもしたとのこと。送られてくる写真を見れば、すでにまた少し大人っぽくなったようだ。こんな風に、新しい家族の皆にたっぷり愛されてすくすく成長し、末永く幸せに生きるだろう。

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突然やってきた新入りにさんざん振り回された先住猫2匹も、元の状態に戻りつつある。ストレスで鬱状態みたいになってしまった若い方の雌猫は、すでに8割ぐらいは調子を戻している。元のかわいい声が、まだ少しかすれるけど聞けるようになったのはよかった。ところが今度はなぜか、おじさん猫の方が声が出なくなってしまった。もしかして、彼も子猫のことが気に入っていて、ふっといなくなったのが寂しいのか。それとも、エアコン嫌いの彼にとっては、急に始まった連日の猛暑がストレスなのか。猫の話を聞くことができないので自分にはわからないけど、声が出ないこと以外は至って普通の様子なので、それほど心配はしていない。すべては収まるべきところに。

でも、今ここにあの子猫がいたらよかったのになあ、とはしょっちゅう思う。最後の日の朝も、目を開けたら枕元でちっちゃいのが丸くなって寝ていて、明日の朝もこうならいいのに、これが行ってしまうなんて夢だったらよかったのに、と思った。先週は、お別れが決まって息子が泣いてしまった晩から心を揺り動かされる日が続いて、気持ちがほとほと疲れてしまった。今週はそれでなくても35℃を超える暴力的な暑さが連日続き、生きているだけでぐったりとしてしまう。一日をやり過ごすので精一杯である。今日も生きているだけで100点。先住猫たちも元通り元気になってくれそうだから、1000点。お別れした子猫は向こうで幸せに暮らし、ぐんぐん成長しているのだから、10000点である。

自分はレディオヘッドの「OK Computer」にリアルタイムで散々はまった後に「Kid A」を聴いて、あまりの落差に混乱し、完全に置いて行かれた気持ちになったクチである。今でもアルバムとしては好きになれず、CDも手放してしまったけど、「Everything In Its Right Place」は「How To Disappear Completely」とともに当時から好きだったし、今週の気分にこれほどしっくりくる曲はない。すべては収まるべきところに収まったのだ。自分の頭の中はまったく白黒がついていないが、今はそのままでいい。

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