ジョージが日本で最後のステージを踏んだ日から29年

1991年12月にエリック・クラプトンとともに来日して最初で最後のジャパンツアーをしてくれたジョージ。自分も東京ドーム公演を観に行ったのだが、正確な日付は覚えていなかった。今も保管してあるチケットの半券を見たら、12月17日。この日はツアーの最終日だったので、ジョージが日本で演奏した生涯最後の日ということにもなる。今日からちょうど29年前。つまり、来年で30年。

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実はこの、ジョージと同じ空間にいることができた記念すべき日のことを、自分はそんなにはっきりとは覚えていない。さすがに30年近く前のことだというのもあるが、当時まだ大学に入りたての19歳だった自分はロックコンサートに行くこと自体が初めてに近くて、東京ドームのような大規模会場で生演奏を楽しむやり方がよく分からず、完全には入り込めなかったのかもしれない。チケットを見るとアリーナ席だったようだけど、ほんとに当夜の記憶はぼんやりとしている。アンコールの最後、「Roll Over Beethoven」でジョージがサンバーストのレスポールを弾いていたのは覚えている。今にして思えばあれが、日本でジョージが演奏した一番最後の曲だったのだ。


当時のライブの模様は2枚組の「Live In Japan」としてリリースされて、後世まで残ることになった。部屋で落ち着いて聴けば、あのときのジョージがどれだけ凄い演奏をしていたのかがしみじみとよく分かる。特に「Cheer Down」終盤のスライドギターが圧倒的。この曲に関しては、来日公演でのスライド演奏はスタジオバージョンを軽く凌駕していると思う。2オクターブの音域をダイナミックに駆け巡りながらライブでも音程は正確だし、インド音楽のように優美な曲線を描くフレージングが冴え渡っている。

このライブを今の耳で聴くと、エリック・クラプトンとの共演という形だったので、ビートルズの曲でも当時のクラプトン色が濃いコンテンポラリーな演出が目立つときがあって、そこが不満という人も多いだろうと思う。当時の自分は、今やるんだからこうなるよな、とその辺は受け入れていた。90年代初頭にはまだ、60年代のものを60年代のままの形で再現するという発想があまりなかった。60年代ロックが「懐メロ」とか「レトロ」でくくられなくなったのは、95年からのビートルズ・アンソロジーや、ブライアン・ウィルソンによる「Pet Sounds」の全曲再現ツアーあたりを経て、インターネットの普及も大きな要因となって、定着していった流れだと思う。60年代も現代も並列にとらえる作り手、聴き手が増えた21世紀に、ジョージが元気に生きていて、またライブをやる気になったとしたら、どんなコンサートをやってくれただろう。もう自身が主役のツアーはやりたくなかったかもしれないけど、ウィルベリーズと一緒だったら。「トラヴェリング・ウィルベリーズ Vol. 2001」だか何だかが出ていて、あの4人でツアーをやってくれていたら。まったく今考えてもしょうがないことばかりだが、こういうことをあれこれ妄想するのはけっこう楽しい。

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