ジョージの写真集「Be Here Now」

「All Things Must Pass」「The Concert For Bangla Desh」「Living In The Material World」の時期のジョージの姿がたくさん見られる写真集が出るというので、予約注文しておいたのが先日届いて、早速ぱらぱらとめくって楽しんだ。「Living In The Material World」の収録曲にちなんだ「Be Here Now」というタイトルの写真集。「All Things Must Pass」のジャケット写真を手がけた写真家、バリー・ファインスタインが撮影した写真が並ぶ。ページの半分ぐらいはバングラデシュ・コンサートのときのステージ写真が占め、あとは「All Things Must Pass」と「Living In The Material World」のアルバムのアートワークに使われた写真の別ショットがたくさん。基本的に、上記3作の写真や映像でおなじみの絵柄ばかりだけど、ショットが違えばジョージの色々な表情が見られて、ジョージが終生愛したフライアー・パークの邸宅と庭園もふんだんに写っていて、言わずもがなのジョージファンである自分は楽しめた。「Living In The Material World」に使われた写真の撮影風景は、後年の「Crackerbox Palace」のビデオとよく似た世界で面白かった。撮影場所はフライアー・パークではなく、米国ロサンゼルスにある中世英国様式の邸宅だという。

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あと、考えてみれば「All Things Must Pass」のジャケ写真は、オリジナルは白黒、2000年版ではわざと不自然な彩色が加えられていた。ナチュラルなカラー写真として見る機会はほとんどなかったかもしれない。表紙にも使われている。

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ファインスタイン氏はボブ・ディランと関わりが深い写真家で、「時代は変わる」のジャケットに大きくフィーチャーされた、大いに世を憂える表情をしたディランのポートレイトも、この人の写真だという。「時代は変わる」と「All Things Must Pass」のジャケットは、同じ写真家によるものだったのだ。しかし実は、この写真集に入っていて自分が一番嬉しかった写真は、本筋のファインスタイン氏のものよりも、この写真集を編んだクリス・マレーという人が1981年に撮ったという、前書きに載っているこの写真。

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夕暮れの優しい光が木々の間から差し込む庭園で、腰をかがめて大切そうにユリの花のお世話をするジョージ。愛する庭園で幸せそうに植物と触れ合うジョージの姿を美しくとらえた、とても好きな写真なのだが、これを撮影したのがこの写真集の編者であるマレー氏だったのだ。ヒンドゥー教の聖典、バガヴァッド・ギーターに関する著作があって、ジョージとは自伝「I Me Mine」出版の際に仕事でつながりを持ち、個人的にフライアー・パークに招かれたときに撮った写真だという。著者が持参したバガヴァッド・ギーターの本をキッチンで眺めるジョージの写真もあった。キッチンでジョージ自らが淹れてくれたコーヒーを飲みながら、その著書をジョージと一緒に眺め、褒めてもらい、素晴らしいひとときを過ごしたという。そんな背景を知ってからこの写真を見ると、その日のフライアー・パークでの心地よく美しい時間の空気も封じ込められている気がして、やっぱりジョージは最高だ、ジョージはいいと、しみじみしてしまうばかりである。

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