ジョージのスライドギター名演集(自作Spotifyプレイリスト)

他にはない自分だけの声をギターで表現できるジョージは、ビートルズ時代からすでに世界で指折りのロックギタリストだったと思うけど、真に唯一無二の存在になったのはビートルズ解散後の「All Things Must Pass」以降、スライドギターに開眼してからだろう。ひとたびジョージがスライドバーを指にはめれば、他のどんなギタリストも寄せ付けない神々しいまでの輝きを放つ。そんなジョージのスライド名演の中でも、自分が特に好きな演奏を集めたSpotifyプレイリストを1年ほど前に作った。それから曲を足したり引いたり並べ替えたりしてちょこちょこと修正を加えてきたが、ディランの「1970」きっかけで先月になって初めて知ったデヴィッド・ブロムバーグの曲への客演を最後に持ってきて、ひとまずこれで完成かな、という状態になったので当ブログで紹介することにした。全24曲、1時間半のプレイリスト。

これは曲順もそれなりに考えて、自分が通しで聴いてジョージスライドを楽しめるようにまとめたもの。かなり気に入っている。ジョージのソロ名義が7曲、ウィルベリーズが3曲、95年のバーチャル再結成ビートルズが1曲。プレイリストの半分以上は、ジョンとリンゴをはじめとする他人の曲への客演である。自分が日常的に聴く用に作ったので、ギターだけでなく音楽としても好みのものしか選んでいないけど、ベリンダ・カーライルの89年作「Leave a Light On」だけは浮いている。


この曲、ジョージ本人が特にお気に入りの演奏ということでプレイリストに入れたのだけど、隅々までガチガチに固めたいかにも80年代メインストリームポップな曲調が、個人的にはなかなかつらい。当時の自分は、こういう音楽が溢れるバブリーな世間から逃れたくて、60年代や70年代のロックばかり聴いていたのだ。「Leave a Light On」という楽曲自体は、メロディーとか結構いいと思うけど、あの80年代末期らしいキラキラな、自分の入り込める隙など1ミリもなさそうな世界に息苦しさが限界になってきた頃、満を持してテンション高めのジョージスライドがいつもの調子で颯爽と登場。おお、ジョージが助けに来てくれた!ハレクリシュナ!というカタルシスが、この曲をプレイリストに入れた意義なのである(まあ、元気がないときにはこの曲は飛ばすけど)。エリック・クラプトンがこの曲をジョージ客演とは知らずにラジオか何かで聴いていて、後日ジョージと一緒のインタビューでその事実を知り「あれはやっぱり君の演奏だったのか!」となった、というエピソードも良い。

ジョージとロン・ウッドの共作にして競作、「Far East Man」のロン・ウッド版は、プレイリストに入れるかどうか迷った。もちろん、二人のバージョンどちらも大好きすぎる曲だし、スライドギターは紛れもない名演なのだが、スライドの演奏者がジョージなのかロニーなのか、正式なクレジットでは確認できなくてはっきりしたところが不明なのである。言うまでもなくロニーもジョージに劣らぬスライドギターの名手。どちらの演奏だとしてもおかしくはない。フレージングの動き方にちょっとジョージらしからぬ激しさも感じて、最初はジョージでなくロニーの演奏だと実は思っていた。だけど、ストラトっぽい金属的な音色で奏でられるスライドは「Dark Horse」当時のジョージっぽいし、バックヴォーカルにも確実にジョージの声が入っている感じがするし、きっとジョージはノンクレジットだけど歌でもギターでも参加したんだろう!と判断して、今のところ自分内ではジョージスライドの名演の一つということにしている。こういう、実際のところどうなの、という謎が一つぐらい紛れ込んでいるのもジョージらしいのではないか、とも思う。

タイトルとURLをコピーしました