ジョージは「Your True Love」をビートルズ時代から演奏していた

前にディランの「1970」とジョージについて書いた記事で、ジョージがビートルズ時代にカール・パーキンスの「Your True Love」を演奏した音源は残っていない、と書いたのだが、実はちゃんと存在したことに昨日になって気付いた。またしても当ブログに堂々と嘘を書いてしまった。1969年1月3日、ビートルズのいわゆるゲット・バック・セッションが始まって間もない頃に「Your True Love」が演奏されていた。2分に満たないリハーサル演奏だけど、この69年1月セッションの一部始終は映画「Let It Be」のために撮影されて残っており、ブートレグでも聴けることは周知の事実。Youtubeにも音源がしっかり上がっている(当然ながら非公式)。


リードヴォーカルはポールだけど、バックでコーラスパートを歌うジョージの声もはっきりと聞こえる。やる気の感じられないリハーサルが延々と続くことで悪名高いゲット・バック・セッションの中では、この演奏は比較的ちゃんとしている方だと思う。やっぱりビートルズ初期の頃には頻繁にステージでやってたんだろうなと思わせてくれる、こなれた演奏ぶりなのだ。コーラスを付けるジョージの声もわりと楽しそう。この1月3日セッションの一週間後、1月10日にはメンバー間での口論の末にジョージはスタジオを飛び出してしまう。この「ゲット・バック」期のビートルズをポジティブに捉え直した新作映画が年内に公開されるようで、従来のイメージを覆すものとして去年から大いに話題になっている。正直、ジョージファンとしては微妙なところもある。何しろ、このときビートルズで一番大きな不満を溜めていたはずのジョージは、もうこの世にいないのだから。この時期のビートルズを明るくポジティブに描いた映画に対して、ジョージが皮肉たっぷりのコメントを挟むことがもはやできないというのは、やっぱりちょっとフェアじゃない気がしてしまう。言うまでもなくビートルズファンとしては、4人が楽しそうにしている様子を見るのは大好きだし、ジョージの笑顔もたくさん見られることを期待している。もし自分がこの映画を観ることがあったら(観るだろう、もちろん)目一杯ジョージの側に立った感想をここに書きたい。

このブログにこの演奏の動画を貼るのも3回目ぐらいではないだろうか。1985年、憧れのカール・パーキンスとの共演で本当に嬉しそうにギターを弾きコーラスを歌うジョージ。気合いの入ったギターソロでのグレッチの音色も最高。商業的に失敗に終わった82年の「Gone Troppo」から大ヒットした87年の「Cloud Nine」を出すまでの狭間、ジョージが音楽に一番興味を失っていたとされる時期に、こんなに幸せそうに「Your True Love」を演奏していたのだ。ジョージが音楽とギターに興味を失った時期など一度もなかったと自分は信じている。時流がそっぽを向いた時期はあったかもしれないけど、結局はその時流を自分の側にぐいっと引き寄せて、40歳を過ぎてもう一花咲かせたジョージ。この魅力溢れる85年のジョージの姿を見ていると、あの80年代終わりのジョージ大復活はまぐれ当たりなどではなく、必然だったのだと改めて確信する。

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