グランダディの新曲「R.I.P. Coyote Condo #5」がとても良い

グランダディは2000年の「Sophtware Slump」が出た頃に知って、とても好きだったバンド。例によって最新音楽情報には疎いので、去年の暮れに新曲を出していたことは知らなかった。昨晩はじめてSpotifyで見つけて、聴いてみたらとても良かった。コヨーテの死について歌った、8分弱にわたるゆったりとした美しい大曲。うっとりと音楽の世界に引き込まれ、終盤に繰り返し出てくるピアノフレーズはクイーンのあの曲に似ているなあ、と耳で追っているうちに、8分などあっという間に過ぎてしまった。


歌のテーマは、アパートの向かいの駐車場に現れて警備員に射殺されてしまったコヨーテについて。アメリカではありふれた動物なのだろう。何かコヨーテの死の物語に込められた「意味」はあるんだろうか、と検索してみたりしたけど、作曲者のジェイソン・ライトル本人は「一大叙事詩みたいなもの」と言葉少なに語っているだけ。きっと、歌詞に書かれている以上でも以下でもないのだろう。その夜、運の悪いコヨーテは無慈悲に殺され、アパートの住人達は、ざまあみろ、ついに仕留めてやった、「駆除」してやったぞ、と乾杯して一晩中大いに盛り上がる。ジェイソンはそっとコヨーテの側に立ち、美しく悲しい一大叙事詩を捧げる。これは夢ではない、目の前で起きたことそのままなのだ、と嘆きの言葉を繰り返す。だから自分はグランダディがとても好きなのだ。

2000年当時、自分がやられてしまったのは「The Crystal Lake」と「Hewlett’s Daughter」の2大名曲だった。とくに「The Crystal Lake」の美しいメロディーとヴォーカルの声には抗しがたく、ディミニッシュとマイナー4度を主役に据えたコード進行にはジョージを感じた。実際は、ジョージというよりELO/ジェフ・リンの影響が強いようで(ジェフ・リンとジョージは、好むコード進行の傾向がそっくり)、後年のアルバムではELOの「Shangri-La」をカバーしたりもしていた。たしかに「The Crystal Lake」はかなりELOっぽい。


この映像では、小屋ごと山から飛んできたグランダディがサンフランシスコに着陸し、都市を探索し、同じ人間とは思えない都会人達を眺めて回る。小屋に戻ったら熊が登場、たじろぐメンバー達だが、熊は演奏に合わせて踊り出し、バンドと意気投合。都会人より熊とのほうがよっぽど気が合うバンドは、また山に戻っていく。コヨーテの死を悲しむ新曲でも、まったく変わってない。ジェイソンの歌うメロディーと声の美しさも20年前そのまま。「おじいちゃん」なんて、ロックとは一番ほど遠い単語を選んだとしか思えないバンド名を名乗るグランダディが自分はやはり大好きで、この素晴らしい新曲がつい先日出たばかりだというのがとてもうれしい。

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