I’m so sad and lonely~The Beatles「Little Child」

とある英米のロックミュージシャンがビートルズにはまったきっかけとして、「Little Child」に出てくる「I’m so sad and lonely」という歌詞に衝撃を受けた、ロックでこんなこと歌っていいんだと、それで自分も曲を書くようになった、といった内容のことを語っていたのを、かなり昔に何かで読んで覚えている。XTCのアンディ・パートリッジだったと思うんだけど、脳内の記憶にあるだけで、少なくともネットで検索できる彼の発言からは該当するものが見当たらなかった。でも、いかにもアンディが言いそうなことで、ずっと彼の発言として印象に残っている。


ただでさえ地味なアルバム「With The Beatles」の中でも最も顧みられなさそうな「Little Child」、しかも「かわい子ちゃん、僕と踊ってよ」なんて相当どうでも良さそうな歌詞の一節に挟み込まれた「I’m so sad and lonely」という言葉。ここに反応したアンディ(?)は流石だし、真実の言葉ってこんなところに何気なく転がってるんだなあ、と自分はその発言に接したときに深く感心した。結局のところ、悲しく寂しい、というのが、すべてをそぎ落とした人間の一番本質にあるものだと自分も思うのである。これは、満たされて幸せになれば消えてなくなるとかそういうものではなく、すべての人間が心のコアに持っている本質。少なくとも自分はそういう観念を持って生きている。自分に人生観と呼べるものがあるとすれば、「I’m so sad and lonely」、それだけである。

音楽的には本当に5分で書いて30分で録音したような軽くすっとばす曲で、ジョンとポールが終始ユニゾンで歌っていて、その「I’m so sad and lonely」だけ3度のハーモニーになっている。この歌詞の部分を印象づけようという意図はビートルズにもあったようだ。「With The Beatles」は、こういう何気ない曲のいくつかが心の奥底に染み込んでいて、地味で未熟ながら自分にはとても大切なアルバム。

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このアルバムは日本盤と英国盤の2枚のアナログを持っていて、こちらの日本盤は自分が生まれてはじめて買ったレコード。だけどレコード自体にたいした思い入れはない。これについても、いずれ書く。

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