インド日記2007年1月:計画停電の郊外で見た星空(とUFO)

この小旅行のことは今でもよく覚えている。インド生活を立ち上げてまだ間もなかった。喧噪の大都会で新生活に慣れるのに精一杯だった日々がひと段落した頃で、とてもゆったりとした空気が流れる郊外で自然に囲まれて楽しく過ごせた。持参したギターでボリウッドソングを弾いたら一緒にいた人々が踊ってくれたり、ビートルズの曲を弾いたら熱心に耳を傾けてくれたり。停電で真っ暗な夜、走ってくるバイクのヘッドライトがまぶしくて仕方なかったことも忘れられない。日本に戻った今となっては、かけがえのない思い出。このとき訪れたアリバーグという土地、船で着いたので離島のような印象だったが、実際には陸続き。船で行く方がずっと楽で、のちにムンバイから車で再訪したら何時間もかかった。

部屋探しと学校探しの時にさんざんお世話になり、その後もお付き合いしていただいている芸術家夫妻の誘いで、週末はムンバイの南の沿岸にあるアリバーグへと一泊の小旅行に行ってきた。そこは夫妻の出会いの場所で、そのとき一緒だったメンバーも何人か参加して総勢8人の旅だった。同窓会的な旅行に混ぜてもらったことになる。

インド門(ムンバイ中心部の観光名所)から出ている船に40分ほど乗った後、船着き場からバスに乗り換えて20分ほど走り、到着。緑あふれる、のどかな田舎の風景。そこは意外なほど近かった。泊まるところはふつうのホテルではなく、ファームハウスと呼ばれる自炊もできる小さな家。たくさんの植物と利口なマスコット犬(英語で「カムヒア!」と呼ぶとちゃんとやってくる)、そして気持ちの良い人々に囲まれ、終始ノンビリと時間を過ごした。海に行く時間がなかったのはちょっと残念だったが短い時間で忙しく動き回っているよりは緑の中でリラックスしていた方がいい。

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夜、道ばたに座って、途中参加の人が来るのを待っていた。午後7時から9時半まで計画停電で電気が点かない。月もなく真っ暗な夜。空には無数の星。ムンバイで夜空の星を見上げることなどまず皆無だが、このときは久しぶりに満天の星空を堪能した。オリオン座、牡牛座、プレアデス星団(昴)と、日本でもおなじみの星々がくっきりと見えて懐かしかった。飛行機とも流れ星とも違う速度でゆっくりと夜空を横切る、小さな光る物体は人工衛星だ。意外なほどたくさんの人工衛星が地球の周りを回っていることに驚く。さらに、流れ星でも飛行機でも人工衛星でもない速度で移動する、何らかの発光体が目の前の空を横切るのもハッキリと見た。あれは……UFOだな。間違いない。

停電中、買い物に出かけたとき、家々の庭先では小さな机でロウソク一本を灯りに読書をする人、手仕事をする人がちらほら。停電していない市街の方角の夜空は白々と明るく見えた。バイクが来るとヘッドライトの明るさが堪え難いほどだった。ファームハウスでは、焚き火のそばで持参したギターを弾いたり、歌ったり、野菜バーベキューをしたり。ここではムンバイとは別世界のゆったりとした時間が流れていた。

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翌日の夜、船でインド門に帰ってくると、ムンバイフェスティバルのオープニングショーをやっていて、ライトアップされたステージの上でアップテンポの最新ボリウッド歌謡に合わせてダンサー達が踊っていた。夜中もギンギンのムンバイから、アリバーグの星空へは船で40分の近さだ。

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