インド日記2007年4月末:蒸し暑さに耐えかねエアコンを買い、インド初の歯医者行き

ムンバイの夏を扇風機のみでしばらく過ごしてみて、静かに納得した。こりゃエアコンないと駄目だな。そう決心した日の夕方に、ジュフーにある新しい大きな家電ショップ、Cromaにショッピングに出かけた。エアコン、パソコン、オーディオ、デジカメ、冷蔵庫、携帯などなど、何でも揃っている。日本の家電量販店、具体的に言うと昔住んでいた家の近くにあったケーズデンキを思い出させる、懐かしい眺めだ。

(後記:ただしこの量販店、ディスプレイされている品揃えは目もくらむばかりに豊富なのだが、いざ買おうとすると在庫がないことが多すぎて、見かけ倒しの印象を受けた。当時は急増する電化製品の需要に供給が追いついていない状況だったのかもしれない)

エアコンコーナーでいくつか見てみると、日本のブランド(ゼネラル、日立)もあるのだが、同じクラスの他社製に比べて1.5倍~2倍ぐらいお高く、しかも「高級品だから」という理由でほとんど値引きされていない。値段に納得がいかなかったのでその日は買わず、後日別の店を見てみたがやはり日本物は同じ値段。結局、インドで頑張っている韓国メーカー、LG製のエアコンに落ち着いた。取り付けの簡単なウィンドウ式、つまり本体と室外機が一体になっている、インドの安宿によくついているようなタイプのを買ったので運転音がうるさいのだが、迅速にしっかり冷やしてくれる。この暑いインドでNo.1シェアを誇るだけのことはある。電力不足のムンバイ、なるべく迷惑を掛けないように設定温度は28度で節電モード。これで十分蒸し暑さからは解放される。よかった。

エアコンを導入して寝苦しい夜から解放されたと思ったら、今度は別の大敵が現れた。歯痛で眠れないのである。昼間は特に何ともないのだが、真夜中、それも布団に入ってこれから寝ようというときに、右の奥歯がジンジンと痛んで眠れない。氷を奥歯でガリガリ噛んで歯を冷やすとしばらく痛みから解放され、寝付こうとするとまた痛みだして飛び起き、氷をもう一個噛んで……というのを延々と明け方まで繰り返す。痛み止めを飲んでもまったく効かない。これが数日続いていい加減参ってしまった。すっかり寝不足である。しかし、歯医者なんてただでさえ行きたくない、恐ろしいところなのに、インドの歯医者とはどういうところなのか想像が付かない。どんな目に遭わされるのか恐ろしく、どの歯医者に行ったらいいのかも分からず、もうちょっと情報収集してから……なんて先延ばしにしていたが、痛みは日増しに酷くなるばかりで、躊躇しているどころではなくなってしまったので、ついに意を決して行ってきた。

外見から近代的そうに見えるデンタルオフィスに飛び込んで「歯が痛いんです」と訴える。綺麗な居心地の良い待合室。大きな水槽で魚が泳ぐ。歯医者にありがちな気の滅入る臭いがしない。10分も待たずに診察室に通され、日本で見るのと同じ診察台に座って、お医者さんの診察を受ける。20代とおぼしき若い女医さん。英語の発音が明瞭で分かりやすく、こちらの下手な英語もしっかり聞き取ってくれるので、コミュニケーションの心配がなくてとても安心。「こっちにいつ来たの?」「インドはどうですか?」なんてにこやかに気さくに接してくれて不安感を一つも感じない。全体的に、日本のへたな歯医者よりずっと快適。

診察の結果、虫歯ではなさそうとのことで、とりあえずホッとする。レントゲン写真を見ると、親知らずが水平に生えていて、痛む奥歯にぶつかっている様子がよく分かった。とりあえず痛み止めの薬を3日飲んで様子を見ることになった。おそらく親知らずを抜くことになるのだろう。それでもインドの近代的な歯科をこの目で確かめた後は恐怖感がなくなった。そうしなければならないのなら、抜くがよい。怖くなんかないぞ。

ちなみに、親知らずのことを英語で wisdom tooth(知恵の歯)ということを今回初めて知った。30代半ばに差し掛かり知恵が身につくどころかどんどん失われていく恐怖を感じる今日この頃だが、それはともかく日本語でも英語でも厄介者のわりにはしゃれた呼ばれ方をする歯である。ヒンディーでは何というのだろう。

(後記:原因は親知らずではなく虫歯だった。ルートキャナル、いわゆる「神経を抜く」治療になった。治療費3500ルピー、約1万円。無保険で治療費も調べずに医者に飛び込むなんて今にして思えば無謀だけど、インドに救われた)

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