インドで手に入れた15年有効の運転免許が切れる

5月は自分の誕生月。誕生月といえば運転免許の更新時期である。先日、貴重な日曜日の休みを警察署で過ごして講習を受け、更新手続きを済ませたばかり。昨年4月、当地に引っ越してきて間もなく一時停止違反をやらかし(当時のブログにも書いた)、それ以前にも軽い違反を取られていたため累積の違反が2回になっていて、2時間の違反者講習を受ける羽目に。免許期間も通常の5年間ではなく、3年。普通なら2027年までは免許のことで警察に行かなくていいはずなのに、違反者である自分は3年後の2025年にまた行かねばならない。まったく、身から出たサビ、因果応報とはいえ、去年の4月にうっかり背負ってしまった悪いカルマが2025年の自分にまで影響を及ぼすとは。

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その一方で何を隠そう、自分は有効期間が15年間にも及ぶ運転免許も持っているのだ。ただし、これはインドでしか使えない。インドに渡って1年後の2007年、日本で取得してきた1年間の国際運転免許が切れるので、日本の免許をインドの州発行のものに切り替える手続きをした。自身で当地の陸運局(RTO)に行って手続きをするのは困難を極める。RTOには別の用事で一度行ったことがあるけど、書類の書き方も全然よく分からない上に、山羊がのんびり歩く構内はぬかるみだらけ、落ち着いて書きものができる机も、待ち合いの椅子すらもなかった。役所での手続きは何時間経っても遅々として進まず、ほとほと途方に暮れていたところ、上役らしき役人の「鶴の一声」で突如としてカタが付いてしまったという、あまりにも難易度の高すぎる役所だった。運転免許のときは不本意ながら、近所の行政書士的な店に代行を頼んだところ、まったく期待もしていなかった15年間有効な運転免許が「棚からぼた餅」で入手できてしまったのだ。通常、外国人の運転免許はどう考えても滞在ビザの有効期限までしか出ないはずなのに、何かの手違いがあったようで、インド国民扱いの15年免許が下りてしまった。きっとRTOの役人は書類なんかろくに見ていないのだろう。現地の業者に代行してもらって大正解。インドのいい加減なお役所仕事に、このときばかりは救われた。15年後の2022年なんて、当時にしてみればはるか遠い未来のことだった。そんな先まで、面倒な更新手続きなしにインド中を乗り回せる免許がもらえるなんて!と、あのときは本当に嬉しかった。ここに15年いていいんだぜ、とインドに言ってもらえた気がしたものだった。実際にはそれから10年も経たずに帰国したわけだけど、日本で新しい暮らしを始めても、インドに戻ればこの免許でいつだって運転できるんだ、と遠い国にまだ片足を残せているような気持ちだった。

そんな、2007年にははるか遠い未来に思えた2022年の誕生月も、とうとう今月になってしまった。この免許はあと2週間足らずで切れてしまうのだ。何だか自分の中で、また一つの時代が終わった気持ちがする。この免許のことを思い出したのは、雨に濡れた夜のムンバイを行く、素敵なドライブ動画を見たからだった。


まさに、自分がハンドルを握ったり、タクシーに乗ったり、歩いたりして、何十回、何百回と通った道である。当時お世話になっていた学校の前も走る。道行く車の種類も、在住当時と大して変わっていないようだ。何もかもが懐かしすぎる。2020年8月にYouTubeに上げられていたもので、道行く人々がマスクをしているので、確かにコロナ後のムンバイである。でも、動画を見ていると、まだまだ自分はあそこにすんなり戻っていけそうな気がした。あの街に残してきた自分の心に、あの道を走ればまた会えそうだった。今や、長期のインド観光ビザも再開したようで、ムンバイ行きもまったく夢ではない。あの路上をうろうろ走り回る日常に、いつかまた戻りたいと、今でも思っている。運転免許は取り直さなければならないけれど。

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