It's All Right

心身ともにしんどかった9回目のアメリカ出張。ジョージの「Wreck of the Hesperus」で繰り返される「But it’s all right」というフレーズに励まされながらどうにか終えて帰ってきたのだが、帰国から一週間経ってもあんまり大丈夫ではない。出張中から始まった動悸息切れがまだ続いていて、すぐに疲れてしまう。逆時差ボケによる睡眠障害は徐々に改善してきたが、朝起きたときからぐったりした感じで、体も心も全体的な調子がなかなか回復しない。去年夏の出張は最終日にフィルモアでゾンビーズのライブを観て幸せに終えることができたが、今年はあと一週間の差でゾンビーズは観られず、代わりに自分がゾンビになって帰ってきた。


「It’s All Right (Alright)」というリフレインを持つ英語の歌はたくさんあって、ゾンビーズは「It’s Alright With Me」のほかに、BBCライブでインプレッションズの「It’s All Right」のカバーもやっている。ジョージの歌では「Wreck of the Hesperus」のほかにあと2曲、「Here Comes The Sun」とトラベリング・ウィルベリーズの「End of the Line」が思い浮かぶ。どちらも、大丈夫だよ、元気出せよ、と優しく励ましてくれる「It’s All Right」である。凍りつく冬が終わって春の兆しが感じられれば、太陽がやってきた、もう大丈夫だ、と思うし、「End of the Line」は今回の出張中にも「Wreck of the Hesperus」と一緒に頭の中でよく口ずさんでいた。

この曲はジョージがメインとなって書かれたそうで、聴いて受ける印象もジョージ色が強い。ロイ・オービソンは「Vol. 1」発売直後に急逝してしまったので、上のPV映像で彼が歌うパートはギターだけが座った無人の椅子が揺れている。悲しいけど温かい洒落もにじみ出る演出である。この曲の「ライン」は電話の回線と鉄道の線路を掛けているのだが、メンバーが列車で移動しているこの映像では「ラインの終わり」は人生の終着駅というイメージ。レフティ52歳、ネルソン58歳、チャーリー・T・ジュニア66歳。終着駅にたどり着くのが早すぎたウィルベリーが悲しいほど多い。一番若くして亡くなったのがレフティことロイ・オービソンだったことが自分には意外に思える。亡くなったとき自分はまだ10代だったから52歳はかなり遠い年齢。あれから終着駅に向けて31年進んできた今の自分は、「End of the Line」の頃のネルソン・ウィルベリーことジョージより少しだけ上の年齢になった。この曲の歌詞を眺めると、年老いて白髪になっても大丈夫、お互いを思いやりながらやっていこう、自分たちにできる一番良いことは許し合うこと、と今の自分にかなり響く言葉が書いてあって、これもいつかじっくり読んで自分の言葉で訳してみたい。

(後記:後日、訳詞を投稿しました)

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