ジミー・ミラーとチャーリー・ワッツ

チャーリー・ワッツの訃報を受けて先日書いた記事は、我ながら穴だらけだと思う。ローリング・ストーンズの長い長いキャリア全体にわたるファンとはとても言えない自分にとっても、チャーリーは大切なミュージシャンだったから、亡くなったと知った以上は何も書かないわけにはいかなかった。だけど、ストーンズについて大してよく知らない自分が、この巨大なバンドについて何か書くのはおこがましいことだ。前に「Sittin’ On A Fence」についての記事で書いたように、自分が一番好きなストーンズは、ブライアン・ジョーンズがいた60年代のストーンズ。これだって、60年代に同時代を過ごしたとかそんなわけでは全然ない。自分は70年代生まれである。リアルタイムで接した80年代以降のストーンズよりも、60年代のブライアンがいたストーンズの方が愛おしく感じられるというだけのこと。

ストーンズについては知らないことだらけなので、先日の記事でチャーリーのドラムについて書くときも、一応ネット検索で調べられることは調べたし、記事を投稿した後にも気になって色々ちょこちょこと読んだ。そんな過程で、以下の記事に出会った。

ローリング・ストーンズを支えた名プロデューサーの知られざる15の真実

さすがローリング・ストーンを名乗るロック雑誌だけあって、とても読み応えのある記事。68年の「Beggars Banquet」から73年の「Goat’s Head Soup」までの黄金期ストーンズを支えたプロデューサー、ジミー・ミラー。彼がチャーリー・ワッツのドラムに与えた影響を、ストーンズに疎い自分はこれまでまったく知らなかった。「無情の世界」のドラムがチャーリーではなくジミー・ミラーだったなんて、この記事を読んで初めて知った。やはり先日の記事はかなり危うかった。ストーンズのドラムの一打一打にチャーリー・ワッツという名前が刻んである、なんて言ってしまったが、よく見たら実はジミー・ミラーと書いてあった、という事態にもなりかねなかったのである。当時のチャーリーとジミーの演奏スタイル、かなり似ているではないか。少なくとも自分にはあまり見分けがつかない。


ジミー・ミラーのドラムについて、自分がここまで本格的なものと思っていなかった理由のひとつは、だいぶ前に読んだ別の音楽雑誌のストーンズ特集で、彼のドラム演奏を「へたっぴ」と評した文章を見かけたこと。これが印象に残っていたおかげで、大して演奏力もないのに出しゃばりたがるプロデューサー、というイメージが脳裏にこびりついてしまっていた。「無情の世界」のドラムは、全然へたっぴでも何でもなく、素晴らしい演奏だと思う。やはり、自分も何かネガティブなことを書くときにはよくよく注意しなければいけない。こうやって不当に悪い印象が読み手の頭の中に長年残ってしまったりするのである。改めて、心に刻む。

ローリング・ストーン誌の記事にあるように、チャーリーはジミー・ミラーから多くを学んだようで、チャーリー自身の演奏のスタイルがジミーと関わる以前と以後では大きく変わった感じも確かにする。チャーリー・ワッツのドラムと言えば、70年代後期からの揺るぎないシェイプアップされたスタイルを思い浮かべる人がほとんどだろう。本当にあれは唯一無二のものだと自分も思う。でもやはり一番大好きなチャーリーのドラムは、ドコドコドコドコ、とタムタムを無骨に鳴らしている60年代のスタイルなんだよなあ。

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