Josh Turner「Black Water」(ドゥービー・ブラザーズのカバー)

当ブログでジョシュ・ターナーについて書くのは、今回で3回目。はっぴいえんどの「風をあつめて」を日本語でカバーした素晴らしすぎる演奏を知ってから、この人が10年以上にわたってYouTubeにアップしてきた数々の動画を見てきたけど、まだまだとても全部は見きれていないし、今でも最新動画が次々とアップされている。ジョシュ・ターナーの名前をここで初めて聞くという人は、とりあえずその「風をあつめて」を見てみてほしい。Satisfaction guaranteedである。ついでに気が向いたら、当ブログの過去記事も読んでいただければと思う。

Josh Turner「風をあつめて」日本語カバーその他が素晴らしすぎる
新作カバーも素晴らしすぎる:Josh Turner (feat. Allison Young)「Do I Ever Cross Your Mind」

ジョシュ・ターナー、ひとり多重録音の名演もたくさんあるのだけど、音楽仲間たちと「せーの」で演奏しているカバーの数々がとにかく驚愕のハイクオリティなのである。類は友を呼ぶというか、共演者たちも揃いも揃って凄腕ばかりで、それでいてすこぶる楽しそうに音を合わせている。最近アップされた演奏で特に出色の出来だったのが、ドゥービー・ブラザーズの「Black Water」のカバー。


ギターx2、バンジョー、ベース、パーカッションの総勢5人で演奏していて、ベース以外の4人が歌う(ほかの数々の名演奏にもたびたび登場する、おなじみの顔ぶれ)。ツインヴォーカルと3声コーラスのハーモニーが完璧に決まっているし、ベースとパーカッションが出たり引っ込んだりの間合いがとにかく絶妙。オリジナルバージョンではフェードイン/フェードアウトで処理されているところだけど、これをさらっと人力で表現してしまうのがたまらなく格好いい。本当に、いいなあ、としか言いようがない。

その本家ドゥービー・ブラザーズも、近年になってこの曲の再演を披露していたようで、先日YouTubeで見つけて見たばかり。2020年4月29日にアップされた、「Live in Isolation」と題された演奏である。この時期とタイトルでわかるように、コロナ禍初期の厳格なロックダウン下の状況で収録されたようだ。これがまた素晴らしい。


各メンバーが米国各地の居所からリモート共演という形になっている。さすが本家、演奏もハーモニーも貫禄が凄いし、終盤の展開はまさにこの時期ならでは、という感じで胸にしみる。それにしても2020年ロックダウン当時のこういう、世界中の皆でステイホームを頑張ってこの難局を乗り切ろう!というポジティブな連帯感が、今となっては遠い過去の出来事、何だか懐かしいものにさえなっているのに気付かされてしまう。コロナ禍発生から3年経って、また振り出しに戻った感すらある今日この頃だけど、どこまで続くぬかるみぞ。

コロナのことはこの辺にして、ジョシュ・ターナーに話を戻す。「風をあつめて」のカバーを初めて知ったとき、若いアメリカ人の彼がどうやってこの曲を知ったんだろう、はっぴいえんどをどんな風に聴いているんだろう、と思ったものだった。実はこれも最近になって見つけたのだけど、ジョシュ・ターナーは某所ではっぴいえんど「風街ろまん」のアナログ盤を全編再生する動画をアップしていた。画像に出てくるレコードジャケには帯も付いていて、見たところ日本で数年前に出ていた復刻LPのようだ。わざわざ日本からアナログを輸入して所有しているとは、やっぱりガチではっぴいえんど好きだったんだなあ。ジョシュ・ターナーによる「風をあつめて」が、あんなに原曲の良さを忠実に再現したものになっている理由が、これでよく納得できた。


12月30日に日付が変わった頃に上記の文章を書き、その夜が明けた翌朝になって、今日が奇しくも大瀧詠一さんの9年目の命日であることに気付いた。長年にわたって、自分の知っている音楽の世界に、陰に日向に大きすぎる影響を与えてきた大瀧さん。ジョシュ・ターナーを知ることができたのも、はっぴいえんどのおかげ。数々の素晴らしい音楽をありがとうございました。安らかに。

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