Josh Turner「風をあつめて」日本語カバーその他が素晴らしすぎる

アメリカ人がはっぴいえんどを日本語でカバーしているのがすごくいい、と教えてもらって聴いてみたのが、以下の「風をあつめて」。


これは……文句なしに素晴らしい。単に「日本語お上手ですね」のレベルをはるかに超えている。オリジナルの雰囲気を忠実に再現したとても丁寧なカバー、細野さんの声色までコピーされていて、ただごとではない。サビの綺麗なハーモニーはオリジナルにはないもので、抜群のセンス。この動画を松本隆さん本人がツイートで紹介していて、ドラムのフィルまで感じつかんでる、と褒めていた。本当にそのとおり。この二人、かなり若そうだけど、日本のはっぴいえんどを聴き込んでるに違いない。国籍も時代も問わず、世界中のあらゆる音楽にアクセスできるようになったネット時代ならではのことかもしれない。と思いつつ、ヴォーカルを取っているほうのJosh Turner Guitarというアカウント名のYoutube投稿動画を見てみると、英米クラシックロック中心に、完コピカバーが数百曲単位でずらり。それがまた凄い出来のものばかり。次から次へと聴きあさってしまった。特に気に入ったのを以下に挙げる。

まず、ものすごく感心してしまったのがバッファロー・スプリングフィールドの「For What It’s Worth」のカバー。


これは、「The Simon & Garfunkel Story」という、S&Gの音楽を舞台で再現するショーのキャストで一緒に演奏したもの。Josh Turnerも参加して全米をツアーで回ったようで、その空き時間に録ったのだろう。それにしても、このスタジオバージョンの空気感までライブで再現してしまう演奏力、本当に舌を巻いてしまう。いや、演奏力というよりは、空気感再現力。演奏がすごく上手な人はそこら辺にいるだろうが、個々の力量やセンスを主張するのではなく、全員で一心にオリジナルの空気感の再現に集中しているところが素晴らしいのだ。音楽への愛情を強く感じる。

Josh Turnerのひとり多重録音による宅録カバーも驚愕のハイクオリティ。


(シド・バレットの)ピンク・フロイド「See Emily Play」を宅録で全パート完コピしようなんて誰が思うだろうか。しかもバンジョーを使っている。「70年代のピンク・フロイドをカバーする人はYoutubeに大勢いるけど、僕は60年代の作品こそがもっと愛されるべきだと思った」という、全力でうなずくしかない本人コメントも。

最初に紹介したはっぴいえんどカバーを一緒にやっていた相方、Carson McKeeと二人で演奏しているポールの「Junk」も凄い。


これも空気感の再現が素晴らしいのだが、おそらくダビングなしの二人だけのライブ演奏でこれというのが本当に恐れ入ってしまう。ベーシストがいないのに、ベースの細かい音の動きが聞こえてくるのである。ギターの指の動きを見ればわかるが、Josh Turnerが一本のギターでベースのパートも同時にこなしているのだ。ほかの演奏を見てもつくづく思うけど、ギターが本当にうまい。自分は超絶速弾きギターとか聴いてもあまり心が動かないけど、このギターの力量には全面的に降伏する。この二人はThe Other Favoritesというデュオを組んでいて、オリジナル曲でアルバムを2枚出している。「Junk」でヴォーカルを取っているCarson McKeeは本当にいい声で、The Other Favoritesでは二人のハーモニーがたっぷり楽しめる。

Josh TurnerはソロでもJoshua Lee Turner名義で昨年アルバムを1枚出していて、カントリーロックなオリジナル曲で勝負している。かなりジェームス・テイラーを感じるアコースティックな曲がすごくいい。

カバー曲ももっと紹介したいが本当にきりがないので、最後にもう1つだけ、一番気に入っているものを。「For What It’s Worth」と同じく「Simon & Garfunkel Story」のキャストで演奏している、本家S&Gの「Baby Driver」。

おそらくツアーバスの中でやってるのだろう。大好きな音楽を腕利きの仲間たちで一緒に「せーの」で演奏して、ものすごく高いレベルで再現している、その楽しさ、喜びが、こちらにも存分に伝わってきて何度も繰り返し観てしまう。最高の演奏。こうやって、タイムレスな音楽を通してなら、時代も国籍も何もかも超えて、本当に良いものと直接つながることができると自分も信じている。

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