クラウス・フォアマンが描いた、ジョージとの最後の思い出

クラウス・フォアマンがジョージのお誕生日にInstagramに投稿した、ジョージとの最後の思い出を綴った作品。深く胸を打たれてしまったので、訳とともに紹介する。こんなかけがえのない思い出を教えてくれて、本当にありがとう、クラウス。

ジョージの思い出

ジョージに最後に会ったのは2001年夏のことだった。オーストリアのゴイングにあるゲルハルト・ベルガーの家に彼は泊まっていて、僕を誘ってくれたのだ。癌治療の形跡がたくさんあって痛々しかったけど、ジョージの心底楽しそうな笑顔と輝くまなざしは、重病人であることをまったく感じさせなかった。

僕らは散歩の後に草原の中で一休みした。そのときジョージは急に僕の方を見て、こう言った。「長い長い年月をかけてようやく気付いたんだ。こういう柔らかな草でいっぱいの草地が、僕にとってどれだけ特別な意味を持っているか、わかるかい?何だか、僕とこの草たちはとても近しく感じるんだ。この無限に続くような草地で、風が吹くとふわふわした背の高い草が波のようになびく様子が、僕は本当に大好きなんだよ。人生の風に逆らってばかりいるのでなく、その風を大切に受け入れているようで」

「だからクラウス、僕が行ってしまっても、草原の中に立って、風になびく草を感じてみればいい。そのとき、僕は君のそばにいるよ」

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