訳詞:Bob Dylan「Don't Think Twice, It's All Right」(くよくよするなよ)

今まさに絶賛来日公演中のボブ・ディラン。公演日程は明日まで続くようである。今回観に行かれなかったことについて自分がくよくよしているわけではないけど、ご本人が日本にいてくれている間に、前からやろうと思っていた「くよくよするなよ」の訳詞を書き上げようと思った。

4年前の「歌詞を自分の言葉に訳すということ」という記事に書いたように、自分はこの曲から元恋人への未練の裏返しみたいな皮肉や毒を感じる。ピーター・ポール&マリーのように綺麗にハモって歌うのは、この曲にはそぐわない感じがする。だから、ちょっと刺々しい訳になっている。自分が同じ状況だったらこういう風に言うだろう、と想像しながら訳詞を書いた。こんなときに訳者の性格(の悪さ)が如実に表れるわけである。訳詞をやるときには、大好きな歌の世界に自分の身を置くことができるので楽しい。突然去られた彼女の方にも、言いたいことはたくさんあるだろう。「くよくよするなよ」に対する相手側からのアンサーソングというのが絶対にあるはずだと思ったけど、ちょっと探した限りでは見当たらなかった。

どうしてこうなったのか思い悩んでも無駄だよ
君が今まで分からなかったのなら仕方ない
だから どうしてこうなったのか考えても無駄さ
そんなことしてもどうにもならない
夜明けどきに雄鶏が鳴きだしたら
窓の外を見てごらん 僕はもういないよ
僕が旅に出る理由は 君なのさ
くよくよするなよ、大丈夫さ

君の明かりをつけてくれても無駄だよ
そんな明かりなんて一度も見たことがないし
今さら君の明かりをつけてくれても無駄さ
僕はもう光の届かない旅路に出たんだから
それでも 君が行動や言葉で示してくれていたらとは思う
僕に旅立ちを思いとどまってほしいという気持ちを
いずれにせよ僕らには大して会話もなかったわけだし
だから くよくよするなよ、大丈夫さ

僕の名前を呼んでくれても無駄だよ
これまでそんなこと全然しなかったじゃないか
今さら僕の名前を呼んでくれても無駄さ
もう君の声は聞こえないんだから
旅路を歩みながらずっとあれこれ考えている
一人の女を愛していた 彼女は僕のことを子供みたいと言った
僕は彼女に心を捧げたが 彼女は僕の魂を欲した
でも くよくよするなよ、大丈夫さ

お別れだよ、ベイブ
僕が向かう行き先は言えない
「さよなら」なんて言葉は格好良すぎるから
僕はこう言うことにする、「ご機嫌よう」
君に冷たく扱われたなんて言うつもりはないよ
もう少し良くしてくれてもよかったけど もういいのさ
僕の貴重な時間をちょっと無駄にしてくれただけのこと
まあ くよくよするなよ、大丈夫さ



エリオット・スミスは子供時代に父親から「くよくよするなよ」のギターの弾き方を教わったそうで、フィンガーピッキングのギタースタイルに直接的な影響を感じることが時々ある。

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