訳詞:Elliott Smith「Pretty (Ugly Before)」

ただでさえ大好きなエリオット・スミスの曲の中でも、この曲は自分に刺さってくる深さでは最強かもしれない。最後のヴァースからエリオットの上に入ってくる痛切に美しいコーラスには、聴くたびにぐぐっと胸が締め付けられる。間奏で聴けるエリオットという人そのものみたいな音色のギターの後、このハーモニーが登場するところが聴きたくて、この曲をかけると何度もリピートしてしまう。この曲に絶対に欠かせないそのバックヴォーカルは、Quasi(クワージと読むようだ)のサム・クームズが歌っている。Quasiはエリオットと近しく活動を共にしていたバンド(男女二人ユニット)で、初来日公演でもバックバンドとオープニングアクトを務めていたらしい(自分が観たエリオットの来日公演はバンドなしのソロ弾き語り)。自分はQuasiの音楽も大好きで、今年の2月に10年ぶりの新作フルアルバム「Breaking the Balls of History」(AmazonBandcamp)が出て嬉しかった。以前と変わらず、本当に素晴らしい。


この曲に出てくる「There is no night time, it’s only a passing phase」という歌詞の意味が、今の自分にはよくわかる気がする。ちょっと前まで、夜は自分の世界で落ち着いたひとときを過ごせる大切な時間だったのに、最近はどうもうまく休息を取れないまま夜更かしするばかり。眠りに就いても必ず明け方に目が覚め、うかうかしていると不安な考えが無限にわき出てきてそのまま朝を迎えることになるので、なるべく何も考えないようにして二度寝を試みる(今朝は成功した)。昼と夜の切り替えがうまくいかず、しんどい昼の続きがあるだけ。夜は昼と昼の間にあるつなぎの段階に過ぎない、という感覚。Pretty/Uglyの気分の移り変わりは誰にでもあるのだろうけど、本当に「どうしたらいいかわからない」という状態が延々と続くのは大変である。いつまで経ってもここから抜け出せない気がする。

でも、すべて問題ない。大丈夫。諸行無常と言うでしょ。……この言葉は、エリオットも敬愛していたジョージの最近出たインタビュー集「ジョージ・ハリスン インタヴューズ」より。ビートルズ解散直後の1970年5月のインタビューで、複雑にもつれたバンド周辺の人間関係や経営問題について語りながら、唐突にジョージはこんなことを言う。ジョージの言葉に自分はいつも救われる。まだ半分も読めてないけど、この読み応えありすぎる本についても、いずれここに書きたい。

日光のおかげで 僕は何日でも起きていられる
夜という時間はない それはただのつなぎの段階
そして僕はきれいな気持ちでいる 君に見合うぐらいきれい
前はとても醜い気持ちだった どうしたらいいかわからなかった

時々、そんな風に感じるのが僕の現状
でも君にとってはどうでもいいこと
君はどうにかしてハイにならないといけないんだから
破壊衝動なのか 君が抱えずにはいられない感情は
君を欲する誰かのように どうしようもないほど切実に

日光のおかげで 僕は何日でも起きていられる
夜という時間はない それはただのつなぎの段階
そして僕はきれいな気持ちでいる あと1、2時間ぐらいは

前はとても醜い気持ちだった どうしたらいいかわからなかった
前はとても醜い気持ちだった どうしたらいいかわからなかった
前はとても醜い気持ちだった どうしたらいいかわからなかった
前はとても醜い気持ちだった

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