訳詞:George Harrison「See Yourself」

嘘をつく方が簡単 真実を語るよりも
ハエを殺す方が簡単 逃がしてやるよりも
他人を批判する方が簡単
自分自身を見つめるよりも

ため息ひとつついて 他のみんなに合わせていた方が簡単
そいつらは懸命にやってる君を取り囲み 笑いものにする
棚に並ぶ本を眺めている方が簡単
自分自身を見つめるよりも

誰かを傷つけ 泣かせる方が簡単
その人の涙を乾かすよりも
嘘つきに付き合い 時間を無駄にするのはもうたくさん
それよりも真実を語る人を見つけたい

やらないと言う方が簡単 やる気になるよりも
尻込みする方が簡単 勇気を出して立ち上がるよりも
他人の財産をうらやむ方が簡単
自分自身を見つめるよりも

歌詞の面では、ジョージの曲でこれが一番好きかもしれない。周りに合わせて適当に嘘をついてうまく立ち回ることができず、必死になって物事に挑んでは笑いものにされ、傷つき打ちのめされた心を慰める、優しさにあふれた歌詞。だけど、「自分自身を見つめるよりも、他人を批判する方が簡単だ」という一節は、自分の方にもぐさりと刺さってくる。本当にそうなのだ。正面から自分自身を見つめることは痛みを伴い、正しさの側に立って他人を批判するときのように簡単にはいかない。それでも誠実に生きようとするならば、この言葉は決して無視できない。たびたび自分に打ち返されてくる大切な言葉。Twitterをやっていた頃にジョージの言葉としてこれが流れてきて、ほんとにそのとおり、さすがジョージ、と思ったのだけど、「See Yourself」の引用だったことに気付いたのはしばらく経ってから。以来、自分にとって特別な曲になった。

ビートルズ時代の1967年に書き始められた曲で、最初の一節はポールのことを思って書いたとジョージは明かしている。当時、ポールはビートルズの中で初めて麻薬の使用をマスコミに対して認め、世間の非難の矢面に立っていたという。冒頭の「真実を語るより嘘をつく方が簡単」とは、薬物使用について正直に話したばかりに炎上の憂き目に遭ったポールの状況に対する、ジョージの自責の念が混ざっているのかもしれない。

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