訳詞:George Harrison「The Answer's At The End」(答えは最後に)

「Dark Horse」は3月っぽいということを先月書いたが、次作「Extra Texture」は今月の気分に近い。冒頭の「You」は躁的なまでに元気いっぱいだけど、「All Things Must Pass」に近い時期にお蔵入りになった曲を復活させたもので、アルバム全体から見るとやはり別の時間軸から引っ張ってきた印象を受ける。自分の4月という文脈に当てはめるなら、「You」は満開の桜を見て心がふわっと浮き立つ瞬間。全体にはまだブルーな冬をひきずっている。次の「答えは最後に」から「……さて」と腰を落ち着けて本題に入っていく「Extra Texture」は「Dark Horse」よりさらにトーンが沈んでいて、ジョージの全作品中で一番内にこもった感じがするアルバム。

「答えは最後に」の歌詞は、ジョージが1970年から終生暮らしたフライアー・パークの建物に刻まれていた、邸宅のかつての所有者サー・フランキー・クリスプによる警句がテーマになっている。最初の顕微鏡が出てくる一節がその引用(クリスプ卿は顕微鏡愛好家だったとのこと)。ジョージはこの言葉に深く共感して、人間関係における座右の銘のようにしていたという。自分も全編にわたって心から同意、かつ刺さる歌詞である。「The speech of flowers excels the flowers of speech/花が語る言葉は 言葉の花束に勝る」というくだりが、植物を愛したジョージらしくてとても好き。

自分の最後にはどんな答えがわかるんだろう。ジョージはどんな答えを見つけたんだろう。

顕微鏡で友達のあら探しをするなかれ
欠点がわかったら もうささいなことは見過ごしてやれ
人生は一篇の謎めいた長い物語
だからひたすら読み進めよう 答えは最後に

愛している人にそんなにつらく当たらないで
僕らは大切な人をこそないがしろにしてしまう
必要としている人にそんなひどい仕打ちをしないで
僕らは必要な人をこそほとんど顧みることがない

花が語る言葉は 言葉の花束に勝る
だけど心の中の言葉を聞き届けるのは一番難しいこと
人生は一篇の長いミステリー
だからひたすら生き抜こう 答えは最後に

ああ、僕らは愛する人を ときにないがしろにしてしまう
こんな風に傷つけ合うなんて悲しいことじゃないか
誰よりも一番愛しているのに
絶対に傷つけるべきではないのに

僕の欠点はわかっただろう もうささいなことは見過ごしてくれ
人生は一篇の謎めいた長い物語
だからひたすら生き抜こう 答えは最後に

愛する人のことを
ときに誰よりも深く傷つけてしまう
悲しいことじゃないか
愛している人を傷つけるなんて

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庭で昨年から育てている忘れな草、最初の一輪がようやく咲いた。フライアー・パークの100万分の1ぐらいの極小スペースだが自分には大切な庭。

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