訳詞:Guy Lombardo「Enjoy Yourself (It's Later than You Think)」

ネットラジオを聴いていたら、サビで「Enjoy yourself, it’s later than you think」と歌う、かなり聞き覚えのあるヴォーカル曲が流れてきた。自分が知っているのはスペシャルズの曲としてだったけど、そのとき聴いたのはパンクやスカよりずっと大人っぽい、軽妙なスタイルの古いポピュラーソング。調べてみれば、カナダ人歌手のガイ・ロンバルドが1949年に発表したものだった。翌50年にビルボード10位まで上がるヒットになったらしい。もう70年以上前のことである。


スペシャルズ版ではサビ以外の歌詞が大きく改作されていて、これはプリンス・バスターが1967年に発表した「Enjoy Your Self」を下敷きにしているようだ。この曲の歌詞は自分が最近よく考えている「Be here now」というテーマともつながって、心に引っかかってくるものがあったので、オリジナル版の歌詞を読んでみる気になった。こういうテーマの歌は「若さを楽しめるうちに人生を謳歌しておこう」という解釈になりがちで、若い頃の自分はそういう物言いに反発を覚えていた。自分にとっての「若さ」は居心地の悪いものだった。若いから楽しいなんて誰が決めた、少なくとも自分とは関わりのないことだ、けっ、と思っていた。しかし、老若関係なく、「今」を楽しもう、明日には尽きるかもしれない命なのだから、ということなら自分にも理解できる。スペシャルズでこの曲を歌っていた当時は20歳そこそこだったテリー・ホールも、昨年末に63歳の若さで亡くなってしまった。

今がとても楽しめる状況ではなく、明日も明後日も、その先の人生も真っ暗にしか見えないのなら、とにかく先のことには目をつぶって、今の自分を何よりも優先して守るしかない。その「今」も、そうしているうちにどんどん変化する。どんな風に変化するのかは、神のみぞ知る。悪い方向ばかりとは限らない。そして、いつだかわからないいつかに、誰もが必ず終わりを迎える。「今」がある限りは、どんな小さなことでも楽しめるだけ楽しんだ方がいい、ということに異存はない。

何年もひたすら働きづめの君 いつも走り回ってばかり
ひとときの休みも取らず お金儲けに余念がない
いつの日か億万長者になったら楽しむさ なんて言ってるけど
想像してみろよ 古ぼけた揺り椅子に座ったきりで何が楽しいのか

目一杯楽しもう 気づいたときにはもう遅い
目一杯楽しもう まだ元気があるうちに
年月はすぐに過ぎ去る まばたきしてる間に
目一杯楽しもう 今を楽しんだ方がいいぜ 気づいたときにはもう遅い

世界一周旅行に出ようとしている君 何があっても実現するって息巻いて
予約も済ませたのに どうしても休みが取れなくて
必ず来年こそは世界を見に行くとか あちこち見て回るとか言うけど
もしお墓に埋められたら どうやって遠出するんだよ

本命中の本命 夢のまた夢 うっとりするよなブルネット
彼女は君を振って ほかの奴のいい子になっちゃった
友よ その鉄砲は下ろそう あの世に行こうとするのはよせ
今度は赤毛でもブロンドでも口説いてみろよ その方が楽しいぜ

目一杯楽しもう 気づいたときにはもう遅い
目一杯楽しもう まだ元気があるうちに
年月はすぐに過ぎ去る まばたきしてる間に
目一杯楽しもう 今を楽しんだ方がいいぜ 気づいたときにはもう遅い

ナイトクラブになど決して行かない君 ダンスにもまるで興味なし
月の光とかロマンスとか ばかげたことに時間を割く気もなし
思いを寄せる相手は 綺麗に積み上げられた札束だけ
でもお札にキスしたところで 向こうはキスを返してくれないよ

目一杯楽しもう 気づいたときにはもう遅い
目一杯楽しもう まだ元気があるうちに
年月はすぐに過ぎ去る まばたきしてる間に
目一杯楽しもう 今を楽しんだ方がいいぜ 気づいたときにはもう遅い

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