訳詞:Pulp「Help The Aged」

パルプの「Help The Aged」については、前にも記事を書いたことがある。そこでも言ったように、自分は90年代ブリットポップにはほとんど興味を持てず、パルプのほかの曲もあまり知らない。この曲だけは、当時ラジオで耳にしてとても惹かれるものがあり、7インチシングルも買っていた。当時、ジャーヴィス・コッカーは34歳だったという。自分の34歳を思い起こしてみれば(海外暮らしを始めた年だ)、まだそれほど加齢を実感するには至らず、わりと呑気にやっていた。心身の衰えを実感するようになったのは40代後半ぐらいからで、今50歳になってしみじみと骨身にしみてきた。昨晩、ふと思い出したこの曲のビデオを眺めていて、まだ30代半ば、見た目は十分に若かったジャーヴィスが、ここまで真正面から老いを見詰めた歌を真剣に歌えるというのは凄いことだ、やはりアーティストというものは自分みたいな凡人とは違うと、改めて思った。

この曲が出た1997年当時の自分は25歳で、今の半分しか生きていなかった。老いの実感などまだなかった25歳で出会ったこの曲を25年後に聴いて、やはり同じように心を動かされるのは「yours-s-s-s-self…!」の慟哭である。ちょっと滑稽にも聞こえるところが大事で、それだけに真に迫った悲痛さが伝わってくる。若かった自分にも、そこだけはダイレクトに刺さった。25歳の頃からさらに25年生きて否応なしに実感するけど、老いとは不可逆なもので、かつての自分には決して戻れない。それを一番よく知っているのは、自分自身なのだ。いくらごまかそうとしても。

お年寄りには親切に
かつては君たちと同じ若者だったんだ
酒も煙草もシンナー遊びもやってきた
お年寄りには親切に
家に引きこもらせてばかりではいけない
ひとりぼっちでは楽しみもないだろう

できるだけ手を貸してあげよう
気晴らしのお手伝いをしてみよう
お年寄りに希望と慰めを与えるんだ
もう残された時間はわずかなのだから

一方の僕たちはどうなんだ
必死に忘れようとしている 何も永遠には続かないという事実を
大したことじゃないさ みんな本当は感じてるんだろう
笑えるほどに 何もかもが滅び去っていくのだと
そろそろ君も気付き始めたんじゃないか
一回り年上の恋人と付き合うときが来たって
あれこれ教えてくれるぜ 見た目は難ありでも
笑えるほどに 何もかもが滅び去っていくんだ

お年寄りには親切に
いつかは君も年を取るのだから
困ったとき助けてくれる誰かが必要になるぜ
じっくりのぞき込んでみるといい
彼らの顔に刻まれたシワの奥深くまで
君がこれから向かう先が見えるかもしれないよ
そこは何とも寂しい場所だぜ、ああ

一方の僕たちはどうなんだ
必死に忘れようとしている 何も永遠には続かないという事実を
大したことじゃないさ みんな本当は感じてるんだろう
笑えるほどに 何もかもが滅び去っていくのだと
そろそろ君も気付き始めたんじゃないか
一回り年上の恋人と付き合うときが来たって
あれこれ教えてくれるぜ 見た目は難ありでも
笑えるほどに 何もかもが滅び去っていくんだ

髪を染めるのもいいだろう でもひとつだけ変えられないものがある
自分自身から逃れることはできないんだ、そう自分自身からは、
自分、自分自自自自……身……!

一方の僕たちはどうなんだ
必死に忘れようとしている 何も永遠には続かないという事実を
大したことじゃないさ みんな本当は感じてるんだろう
笑えるほどに 何もかもが滅び去っていくのだと
そろそろ君も気付き始めたんじゃないか
一回り年上の恋人と付き合うときが来たって
あれこれ教えてくれるぜ 見た目は難ありでも
笑えるほどに 何もかもが滅び去っていくんだ
ああ おかしくて仕方がない すべては滅び去っていく
笑えるほどに 何もかもが滅び去っていくんだ
おかしくて仕方がないよ すべてが、何もかもが滅び去っていく

だから、お年寄りには親切に

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