訳詞:The Beach Boys「When I Grow Up (To Be A Man)」

自分はハッピー・サッドな音楽が大好きで、この曲はその究極のものだと前々から思っている。「大人になったらどうなるのかな」と、表向きはあくまで無邪気に将来への漠然とした不安を歌う曲だけど、こういうのは無邪気であればあるほど心に来るものがある。バックコーラスで歌われる年齢は14歳から1つ1つ上がり、2分ちょっとの間に32歳ぐらいまで行ってしまう。もちろん、その華麗なる加齢はフェードアウトの先も着々と重なっていき、自分は今50歳である。本当にあっという間のことだ。歌詞にある「ちょっと悲しい」どころか、大いに悲しいことを次々とくぐり抜けていかねばならない年齢になってしまった。どうして、せめて今のままの状況で変わらずにいられないのだろうか。それはオール・シングス・マスト・パスだから、万物はぐるぐると流転するからだけど、そんな抗いようのない時の流れを前にして恐れおののく気持ちを、軽い耳触りの楽しいポップスとして見事に描ききった2分間だと思う。

2021年ステレオミックス、素晴らしい出来

成長して大人になっても
子供の頃と同じことにまだ夢中でいられるかな
過去を振り返って あんなことしなければよかった、なんて悔やむのかな
軽口ばかり叩きながら あの音楽がまだ大好きでいるだろうか
成長して大人になっても

大人の女性にも 女の子の愛らしさをそのまま求めてしまうのかな
(14歳、15歳)
早く落ち着こうとするか それともまずは世界を見て回りたくなるのかな
(16歳、17歳)
今は若くて自由な僕だけど これからどうなるんだろうか
成長して大人になったら

子供たちは僕を誇りに思うかな それとも堅物親父だと煙たがるかな
(18歳、19歳)
楽しく遊ぶ子供たちを見て 僕も混ぜてほしいとまだ思えるかな
(20歳、21歳)
僕は妻を愛し続け 添い遂げることができるだろうか
成長して大人になっても

僕はどうなるんだろう 成長して大人になったら
(22歳、23歳)
今は永遠には続かない
(24歳、25歳)
ちょっと悲しいね
(26歳、27歳)
今は永遠には続かない
(28歳、29歳)
ちょっと悲しいね
(30歳、31歳)
今は永遠には続かない
(32歳、……)

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