訳詞:The Kinks「House In The Country」

ちょっと前に、近頃はネットで本当に欲しい情報が見つからなくなっている、と書いたのだけど、最近はさらに状況が悪化しているように思える。AIで生成されたと覚しき、明らかにデタラメな情報がやけに目に付くようになったのだ。先日、キンクスの「House In The Country」という曲のことをちょっと思い出したので検索してみたら、上位の結果にひどいのが出てきた。英語のページで、ライターの名前も表記されているのだけど、人間が書いたにしてはかなりおかしな内容。明らかにこの曲のことを何も知らないで書かれた文章である。こちらとしても人手で訳すのがばかばかしいので、Google翻訳にかけたものを以下に引用する。

House in the Country は、1968 年のアルバム『The Kinks are the Village Green Preservation Society』に収録されているあまり知られていない曲の 1 つです。 この曲は、都市生活の混乱から逃れて平和で牧歌的なライフスタイルを目指すという理想主義的なコンセプトを探求しています。 シンプルさへの欲求と自然保護の重要性を伝えます。

よくここまで間違えられるものだなあ。収録アルバムすら合っていない。「House In The Country」はキンクスが1966年にリリースした「Face To Face」の収録曲。歌詞の説明は、キンクスのことをちょっとでも知っていれば、レイ・デイヴィスがそんな曲を書くはずもないと一瞬でわかるレベル。自分が書いている対象のことをちゃんと知っている「人間」が生み出したコンテンツをもっと上げていかないと、数量とスピードに勝るAIに好き放題やられてしまう。自分の書く記事だってしょせんは素人の作文、間違いもそこかしこに混ざってるだろうけど、それでもAI生成のデタラメな要約よりはだいぶましなはず……と信じて当ブログの更新もせっせと頑張っていこう、と妙な使命感に駆られてしまった。自分が書ける文章など微々たる力しかないけど、今こそ人間の心から生み出されたまともな文章をネット上でもっと目にしたい。何か心から愛している対象があって、文章が書ける人は、もう遠慮している場合ではない。どんどん書いてネットにたくさん上げてほしい。登録しないと見られないSNS投稿ではなく、誰でもすぐに見られるネット検索に引っかかる形で。インターネットは本来そういう場所だったはずだ。

あいつが不安な心を癒やすのに鎮静剤は必要ない
仕事ではいつだって不愉快で意地悪な野郎さ
家庭でも嫌われてるのに 奴は全然気にしない
なぜって、あいつには田舎の家があるから
それとでっかいスポーツカー
あいつには田舎の家がある
それとでっかいスポーツカー

でも奴には家庭というものがない
この上なく最悪な男なんだ
なぜって、あいつには田舎の家があるから
週末はそこで過ごすのを生きがいにしてる
Oh yeah, oh yeah, well alright

あいつが今の仕事に就いたのは 酔っ払った親父が階段から転げ落ちたとき
その日からこの坊やは不相応な富を得たのさ
そのうちに俺があいつを王座から叩き落としてやる
なぜって、あいつには田舎の家があるから
それとでっかいスポーツカー
あいつには田舎の家がある
それとでっかいスポーツカー

あいつは大層うぬぼれていやがる
欲しいものは何でも持ってるんだ
なぜって、あいつには田舎の家があるから
週末はそこで過ごすのを生きがいにしてる
Oh yeah, oh yeah, well alright

あいつは大層うぬぼれていやがる
欲しいものは何でも持ってるんだ
なぜって、あいつには田舎の家があるから
それとでっかいスポーツカー
あいつには田舎の家がある
それとでっかいスポーツカー

だけどあいつは社会的には死んだも同然
そんなことも奴にはどうでもいいんだ
なぜって、あいつには田舎の家があるから
週末はそこで過ごすのを生きがいにしてる
Oh yeah, oh yeah, well alright

田舎の家
田舎の家
田舎の家
田舎の家

「Face To Face」の中では、ラスト曲の「I’ll Remember」が大好き。YouTubeコメントで指摘されていて気付いたけど、この曲はたしかにジョージっぽい感じがする。というか、メロディといい転調のしかたといい、当時発表されたばかりの「If I Needed Someone」の翻案だったのだな。今まで気付かなかった。あの曲をそれと気付かせずに完全に自分のものにしてしまうレイ・デイヴィス、さすがである。

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