「Merry Xmas Everybody」を西友で聴いたことがあるかい

西友の店内BGMの選曲については当ブログで何度も話題にしているが、クリスマスの時期にも毎年、ひと味もふた味も違う選曲のクリスマスソングがかかっていた。最近は西友に買い物に行くことがめっきり減ってしまい、BGMプレイリストの公開も終わってしまったので、どんな曲がかかっているのか把握できなくなったけど、たまに行くと西友らしい傾向の選曲は今でも続いているのが確認できるので、今年もきっといい曲がかかっているはず。自分が過去に店内で聴いた覚えがある、ぱっと思い出せる曲を並べてみる。


どういうわけかXTCが盛んに登場する西友BGMプレイリストだったが、クリスマスにもXTCの変名バンドであるThe Three Wise Menを突っ込んでいた。いかにもスーパーで流れていそうな定番曲はあえて外し、期待をはるかに超える選曲でいつも驚かせてくれるのが西友だった。そして、ある年のクリスマス前、理由は忘れたけど落ち込んだ気持ちでぐったりくたびれて買い物中、レジの順番を待っていたら不意に聞こえてきて、思わず涙が出そうになった曲があった。

スレイドの「Merry Xmas Everybody」が出た当時、イギリスは経済面で苦境にあり、世相は暗かったという。こんなときこそ、クリスマスには希望を持って、前向きに行こうぜ!という心意気で生み出されたのが「Merry Xmas Everybody」だが、レコーディング前にドラマーが交通事故に遭って一時昏睡状態に陥るなど、制作時にはバンドの状況も良くなかったようだ。本国では100万枚を超える大ヒットになって、今でも定番のクリスマスソングらしいが、日本では西友でしか聴いたことがない。本当にクリスマスにふさわしい、心が温かくなる歌。未来に目を向けようぜ、いま始まったばかりなんだ、というところのコーラスが胸に切々と響く。エンディングもこのコーラスで希望の余韻を残して終わるのが最高である。

暗く落ち込んでいる世間を希望のメッセージで元気づけようと、バンド自体もストレスフルな状況で制作された音楽が、その年のクリスマスには英国中で鳴り響き、スレイドが放った最大のヒットになった。数十年後に遠く離れた日本で買い物をしていた自分も、この曲が店内でかかって救われた気持ちになった。音楽には人を救う力があると自分は本気で思う。経済状況、家族友人やパートナーの有無、居住地、その他どんな条件にもかかわらず、むしろ普段は日の当たらない場所で寒く寂しく暮らしている人々にこそ、クリスマスにはあまねく温かさが届けられるべきなんだと、常に思っている。この曲から伝わってくるのは、そういうクリスマスの精神の一番いいところ。後ろ姿の幸せを謳歌するのではなく、苦しみの中で真心を込めて希望を歌った音楽だから、自分にもしっかり伝わってきたのだ。

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先週末、真岡鐵道SLキューロク館にて

「Merry Xmas Everybody」をかけてくれた西友なので、ジョージの「Ding Dong, Ding Dong」もいつか必ずプレイリストに登場するはずだと、毎年クリスマスが近づくたびに思う。プレイリストが公開されていた期間にそれが実現することはなかったけど、もしかすると自分が知らないだけで、実は今ごろ店内では流れているのかもしれない。今年でなくても、いつかきっと日本全国の市町村で「Ding Dong, Ding Dong」が鳴り響く中、豆腐、蓮根、コーヒードリッパー、お酒、みなさまのお墨付きカレーなどを買い物かごに放り込むクリスマスが来るはず。

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