Old Records Won't Ever Let You Down

去年10月、アメリカ出張中に書いた記事があって、いったん公開した後で読み直したら何だか気に入らなくて非公開にしたのだけど、今になって一部書き足したり削ったりして、改題して再公開することにしました。元記事を読んだ方々も、ぜひまた。決してネタ切れではありません。

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この怪しいマスコットキャラ?のいるお店、サンフランシスコのヘイトアシュベリーをはじめ、地域に数店舗展開している昔ながらのレコードチェーン店、その名もラスプーチン。前回の出張のとき、唯一の休日に仕事先との食事会を入れられてサンフランシスコに遊びに行けずガックリきていたのだが、その食事会場から歩いてすぐのところに、偶然にも前から狙っていたこのお店があった。幸運の女神、いや怪僧が味方してくれた。1ドルや50セントという激安価格ですばらしいレコードがザクザク掘れて、長年の宝物になりそうな古レコードが何枚も手に入った。今回出張は休日なしの一週間だけだったが、ここだけはまた行きたいと、移動明けの日曜日に頑張って訪れた。渡航直後だし翌日から勤務開始なので、なるべく疲れないように疲れないように、今回は激安レコードを激掘りするのは控えてゆっくり普通の棚を眺めよう……と思ったが結局棚の下にしゃがんで激安レコードもほとんど全部見てしまった。レコード屋に入って、ほどほどの時間を過ごすことなど初めから無理なのである。

古レコードの数々、ジャケットがボロかったり盤が手垢やホコリだらけだったりはするけど、ボロジャケは大して気にしないし、盤の汚れは洗えば落ちる。擦り傷も見た目ほど音には影響しない。ボロいレコードでも最後まで音飛びせずに聴けるものがほとんど。アナログのパチパチノイズは音楽の一部と思って我慢もできる(CDのピキピキノイズだとそうはいかない)。60~70年代の初回プレス、いわゆるオリジナル盤と思われるものも多くて、そういうのはやはり傷だらけでも迫力ある生々しい音が残っていてドキドキしてしまう。だから激安古レコードはやめられない。

そんなわけで激安レコードまで激しくチェックしたが、やはり体力温存のためあまり重たい荷物を背負って帰るのは嫌で、選んだうち数枚は後ろ髪引かれながら棚に戻した。最終的に9枚。

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自分はプレミア価格のついたレコードはほとんど買ったことがない。CDやネット配信で普通に聴ける、もう何千回と聴いた作品をアナログで持っていたくて買うこともかなり多い。60~70年代の音楽が好きなので、アルバム発売当時の形で持っていると、聴き慣れた作品でもぐっと身近に感じる。レコードの内袋に当時の同時期に出たアルバムの宣伝が入ってたりするのも楽しい。音楽メディアが自分のお金で買えるようになった頃にはレコードからCDにほとんど切り替わっていたけど、最初の頃は父のプレイヤーで勝手にレコードを聴いて針を折ってしまい、弁償させられた経験も持っている。10代後半はアナログからデジタルへの転換期だった。

今回特に買えてうれしかったのは以下の2枚。激安ではなかったけどAmazonで輸入盤CDを買うぐらいのお値段。

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ニール・ヤングの「After The Gold Rush」は10代の頃から大好きで本当に何千回と聴いたアルバムだけど、レコードで聴いたことはなかった。自分はギターの音はアナログで聴いた方が断然気持ちよいと近ごろ思うようになって、このアコースティック天国なアルバムは是非ほしかった。裏ジャケにある、当時のニールの奥さんによるものという非常に格好いいパッチワークの写真もLPサイズで楽しめるし、手書きの歌詞カードは4つ折りでさらにでかい。

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ビーチ・ボーイズ「Today!」、これも10代の頃から(以下同文)。個人的にこのアルバムは、初めてのアメリカ出張帰りの飛行機で聴いたときの思い出がある。そのときはアメリカに行くこと自体が初めてで、単身渡米して全然知らない人々に混じって3週間ほど働いた。自分にしては相当に気を張って慣れないオフィス仕事を頑張った3週間。どうにかやり切って帰れる安堵感と、もうアメリカはこれが最初で最後かもしれない、という気持ちが入り交じり、カリフォルニアで生まれたこのアルバムを聴きながら飛行機の窓から見えるサンフランシスコ湾の地形を見ていたら、涙がぼろぼろ出てきた。自分はあまり泣くことがないので自分でびっくり。そんなことがあって、このアルバムはさらに特別なものになった。

ラスプーチンで買ったレコード、帰国してからたびたび楽しんでいる。中でもやっぱり「After The Gold Rush」は特別な一枚。あとジェームス・テイラー。彼のCDは一枚も持っていないのに、アナログばかり数枚持っている。何年か前に買った「One Man Dog」と今回の「Sweet Baby James」は特に好きで、よくターンテーブルに載せる。毎日の仕事が終わった後、パソコンの電源を落として、寝る前のアナログタイムを過ごすときに相手をしてもらう大切な友達である。

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