冬と春の境目を行ったり来たり

米国出張から帰国してほどなく、昨日までちょっとした休暇旅行に出ていた。ふだん暮らしている寒冷地はまだ梅が咲き始めたばかりなのだが、高速道路で南下していくと、沿道の景色が徐々に春めいてくる。ずっと寒冷地で暮らしていると季節はなかなか春へと進まないのだが、自分が動くことで冬と春の境目を飛び越えることができる。訪れたお城では、まだ五分咲きぐらいだったが、桜を楽しむことができた。その日はすごく寒かったけど。

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今朝は寒冷地に戻り、散歩に出た。先月下旬に出張に行って以来、家の近所をゆっくり散歩するのは久しぶりだった。いつも通る散歩コースに2本並んで立っている同じ梅の木を、2年前から定点観測している。赤みがかった枝につぼみをつけて長い冬を越し、春になって花が開き、散り、新緑が出て、実を付け、紅葉し、葉がすべて枯れ落ちて、またつぼみをつけて冬越し……というシーズンサイクルが一年一年確実に巡っていることを、2本の梅の木が教えてくれる。先月、前回の散歩で見た定点観測の梅は、まだつぼみが膨らんだかなという段階だったが、今朝はとうとう花が開き始めていた。その間の段階も見たかったけど、ここにいなかったので仕方がない。

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梅の写真を撮った後、少し歩くと、向こうから坂道を上ってきたおじさんが「ああ、暖かい」と大きな声で独り言を2回繰り返しながらすれ違っていった。空気はまだまだ冷たいが、たしかに冬と違って日差しには暖かさが加わっているのである。その見知らぬおじさんに「暖かいですねえ」ともう少しで返しそうになったが、また東京育ちの癖が思わず出て、そうですねえ(ニヤリ)と心の中で思うに留まった。ここで、気安く言葉を交わしてもよかったのに。そのほうがよかった。もっと花が開いてくれば、もっと心もオープンになってくるかもしれない。今はまだ冬と春の境目をうろうろしている。

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