Pugwash「Be My Friend Awhile」(そしてまたあのメロディ)

Spotifyには、好きなアーティストと傾向が似ていると自動判断した曲をずらずら流してくれる「(アーティスト名)Radio」があって、昨日はコーナー・ラファーズを中心に自動選曲されたラジオを聴いてみていた。いわゆるパワーポップのバンドが多い。自分はコーナー・ラファーズのことをパワーポップバンドとはあまり思っていなくて、まあそう言われればそうなのかな、程度だけど、Spotify的にはそういう引き出しなのだろう。パワーポップ、もちろん嫌いなわけがない。その手の曲が流れてくれば、うん、いいね、と条件反射的に思うけど、そこから深く追求する気にならないことも多い。ああいう音楽が「いい」のは自分にとって当たり前すぎるのである。昨日聴いていたラジオの中では、パグウォッシュの音楽が耳に引っかかった。彼らの曲は最近たびたびやはり自動選曲で流れてくることがあって、自分の中で印象に残っていた。ヴォーカルの声に少し憂いや陰りが感じられて、そこが引っかかったようだ。ラジオから離れて、彼らのベスト盤を聴いてみた。いい、かなりいい。これは好き。でも、そのまま行けばそこで終わりだったところ、ベスト盤の最後に入っていた曲に頭をガーンとやられてしまった。


この曲で、自分がパグウォッシュに引っかかった理由が一気にわかった。このバンド、XTCのアンディとデイヴが絡んでいたり、レイ・デイヴィス御大が参加した曲まであったりと、その筋の人脈がすごいらしいのだが、自分にとってはそんなこともまったく霞んでしまうほど、ジェフ・リンなのである。「Be My Friend Awhile」はヴォーカルの声、コーラスの入れ方、コード進行、サウンド、もうどこを切ってもジェフ・リンが憑依したとしか思えないほどELOそのもの。でも、全盛期ELOともまたちょっと印象が違って、近年のジェフ・リンズELOの音としか思えないのだ。宇宙でひとりぼっちである。この曲が出たのは2011年で、「Alone In The Universe」より4年も前なのに。ELOオマージュの曲は世界にたくさんあるだろうけど、この曲はアイドル・レースからウィルベリーズ以降もひっくるめた「ジェフ・リン」というアーティスト全体に捧げたものという感じがして、そこに自分は激しく反応したようだ。さっき書いた、ヴォーカルからにじみ出ている「憂いや陰り」はジェフ・リン直系のものだったのだ。この曲はどうしても手元に置いておきたくて、収録アルバム「The Olympus Sound」を速攻で買ってしまった。CDは廃盤のようで高値の中古盤しかなかったので、やむなくBandcampでデジタル購入。発売後10年ぐらいというタイミングではありがちなことである。アルバム全編にわたって一貫した良さがあって、お金を払ったことはまったく後悔しないけど、結局「Be My Friend Awhile」ばかり何度も聴いてしまった。

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そして、2回目に聴いたときに気付いたのだが、この曲の間奏に出てくるピアノのメロディ、どこかで聴いたことがある。やはりジェフ・リンがらみで前に記事にしたことがある「あのメロディ」なのだ。1990年のウィルベリーズ「You Took My Breath Away」と2019年のELO「One More Time」の間に位置する、ジェフ・リン本人が絡んでない2011年のパグウォッシュの曲でどうしてまた「オペラ座の怪人」が出てくるんだろう。何だかもうよくわからなくなってしまった。やはり何か彼らにはわかる共通の元ネタがあるんだろうか。それとも実は自分が気付いてないだけで、単にELOの曲の一節だったりとか……いや、パグウォッシュに憑依したジェフ・リンが、このメロディまでさりげなく紛れ込ませたのだろう、きっと。

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