ラヴィ・シャンカルとデュアン・エディの共作曲

この世にそんなものが存在することを最近になって知った。1990年に出たチャリティアルバム「Nobody’s Child – Romanian Angel Appeal」に入っている、デュアン・エディの「The Trembler」という曲。といっても、この二人が直接会って一緒に作曲したわけではなく、ラヴィ・シャンカルが何年か前に作曲したメロディをジョージがハミングしてデュアン・エディに聴かせ、それをデュアン・エディが発展させてできたものだという。ジョージが媒介となった、世にも珍しい取り合わせ。1987年にジョージ、ジェフ・リン、ジム・ケルトナー、ジム・ホーンが参加してジョージの自宅スタジオでレコーディングされ、サウンドは同年に出た「Cloud Nine」そのままだし、まさしくジョージ印のスライドも楽しめる。ドラムの音色があの「セット・オン・ユー」とほとんど同じに聞こえるのも面白い。


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デュアン・エディが作曲クレジットでラヴィ・シャンカルと名前を並べたことをジョージはとても喜んだという。それはそうだろうね。ジョージのギターとシタールの両ヒーローが共作者として肩を並べたのだから。デュアン・エディ、名前はよく目にするけど自分には具体的な曲がパッと思い浮かばなかった。サーフミュージックに詳しい方ならよくご存じなのだろうけど、何も知らない自分が出る幕ではない。ぐぐってみたところ、1957年のデビュー曲「Movin’ n’ Groovin’」がビーチ・ボーイズの「Surfin’ USA」のイントロのもとになったというので興味を引かれ、確かめてみた。ビーチ・ボーイズならそれなりに知ってますとも、ええ。


……というかこのイントロ、どこかでよく聴いたことがあると思ったらチャック・ベリーの「Brown Eyed Handsome Man」そのまんまじゃないか。ビーチ・ボーイズがデュアン・エディを引用したというより、どちらもチャック・ベリーがルーツという、特に意外でもないことだった。とにかく1957年の時点でこういう低音弦をぐわんぐわん言わせた(「トゥワンギー」な)サウンドのギターインストを創始したのがデュアン・エディである、ということはわかった。オリジネイターに敬意を。

「Romanian Angel Appeal」のアルバム、全ジ連なら当然とっくの昔に持っているべきものなのだが、持ってなかった。ジョージの奥さんのオリヴィアがCDのライナーを書いている。オリヴィアをはじめ、バーバラ、ヨーコ、リンダのビートル妻たちがルーマニアの孤児たちを救援するために立ち上げた活動の名を冠した、豪華すぎるメンツのチャリティアルバム。なのだが、一部の顔ぶれの80年代色が当時の自分にはちょっと鼻について食指が延びなかったと思われる。もちろんトラベリング・ウィルベリーズのアルバム未収録曲「Nobody’s Child」が一番の目玉だけど、さらにジョージとポール・サイモンが1976年にサタデー・ナイト・ライブで一緒に演奏したときの「Homeward Bound」が入っているのが、今さら購入した理由。同じときに演奏された「Here Comes The Sun」については、このブログを始めたばかりの頃の記事で書いたとおり、大好きすぎる名演。この二人、本当に相性がいいと思うので、もっとたくさん演奏を残してほしかった。

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