西友BGMの今(2021年3月)

自宅の周辺地域にはなぜか西友が多くて、西友で買い物をする機会が少し前までは日常的にあった。その当時、InterFMスタッフの選曲による西友独自のBGMがとても素晴らしかったのは、当ブログで何度か記事にしてきたとおり。自分が好きだった選曲をまとめた「SEIYU BGM Collection」というSpotifyプレイリストも作った(記事)。2018年夏をもってInterFMによる選曲と、西友ホームページでのBGMプレイリストの公開が終了してしまい、その後のBGM選曲がどうなったのか、詳細は不明だったのだが、ちょっと思い立ってネット検索してみたら、BGMについて西友に問い合わせたという方の記事が見つかった。2018年9月時点では、USENのC-06「Colorful Pop Styling」というチャンネルを使用しているという回答だったとか。うーんそうか、有線……ちょっと近所のお店に行って、BGMを実際に聴いて確認してみる気になった。

そういえば、来月から暮らす引っ越し先の土地では、西友は近くにあるんだろうか。店舗情報を調べてみたら、近場にはまったくお店がないようだ。もうこれからは、BGMを聴くために近所の西友に寄るようなことはできなくなるのだ。そこで昨日、さっそく行ってきた。久々に、BGMを聴くためだけに店内を怪しくふらふらと歩く。不審者だと思われないように一応買い物かごを下げながら。今回の選曲は、70年代のソウルとかディスコとか、そういう感じの曲で統一されているようだ。知らない曲はスマホのSoundHoundというアプリで調べるのだが、そんなもので調べるまでもない、非常に有名な曲もかかった。


グローヴァー・ワシントンJr.とビル・ウィザースの「Just The Two Of Us」、邦題は「クリスタルの恋人たち」、まあ、いい曲だよ。嫌いではまったくないけど、やっぱり何だかかつての西友BGMとは雰囲気が違うなあ……と思いながら県内産のレンコンとでん六のバタピーだけをレジに持っていって、西友を後にした。かかった数曲を、USENホームページで公開されているリアルタイムのプレイリストと照らし合わせてみたら、前記のネット記事で教わったC-06チャンネルとは一致しなかった。ただ、自分はその方面には疎いけど、お洒落ソウル系の選曲に感じたので、それっぽいチャンネルをいくつか当たってみたら、正解が見つかった。C-32「usen for Free Soul」チャンネルのプレイリストと、自分が店内で聴いた数曲がぴったり一致したのだ。橋本徹氏の監修による、あのフリーソウルである。なるほど。C-06「Colorful Pop Styling」チャンネルの選曲の方がかつての西友BGMっぽさがあって、そちらも興味深かったけど、もしかすると複数チャンネルを切り替えて使っている可能性も考えられる。リアルタイムのプレイリスト、C-06はこちら、C-32はこちら

かつての西友独自選曲のBGMが良かった理由は、全国の西友に買い物に来るお客さんを念頭に置いて選曲されていた音楽だったというのが、自分にとってはかなり大きい。近所のおじさんおばさん(自分を含む)、遅くまで残業した帰りの会社員、深夜勤務の労働者、普段着や仕事着のさまざまな人々が買い物をする24時間営業の店内で、XTCとかスミスとか、ピクシーズ、ティーンエイジ・ファンクラブ、しまいには最高に素晴らしいダークホース期のジョージが流れていた。西友独自選曲のBGMは「西友の客」に向けたプレイリストであって、その対象には日常の買い物をする自分が確実に含まれている。スーパーで食料品の買い物をするような単調な日常が、自分の大好きな音楽で塗り替えられる感覚が良かったのだ。

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近所の西友、ジョージの「過ぎ去りし日々」がかかっていた2018年3月撮影

もちろん、有線のプレイリストは音楽を知り尽くしたプロ中のプロが選んだ素晴らしいもの。前にも当ブログに書いたような気がするけど、自分はかつて在宅仕事のBGM用にお金を払って有線のケーブルを部屋に引いていたことがある。今みたいにネットで何でも聴き放題になる前の時代、マニアックな専門チャンネルがずらりと用意されている有線のおかげで出会えた未知の音楽は、インド映画音楽をはじめとしてたくさんあった。有線には本当にお世話になった。自前の選曲をやめた西友が、有線にBGMを任せているのは賢明なことだと思う。とにかくこれでとうとう、お別れの直前に西友BGMの今を知ることができた。現在は西友独自のプレイリストではなく、既存の有線を使っている。さよなら西友BGM。ありがとう。

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