7年ぶりの新作:Silver Sun「Switzerland」

シルヴァー・サンは1stアルバムが出た頃に知って非常に気に入り、2ndの「Neo Wave」は1998年の発売時に購入。当時はかなりの勢いで聴いた。ビーチ・ボーイズばりのコーラスを多用して徹底的にポップに爆走するのに外向性を一切感じさせず、奇妙なねじれ感がどうしてもつきまとう不思議なバンド。「Neo Wave」ではチープ・トリックにぐぐっと接近、メジャー感が増強されてJ-WAVEでも結構かかっていた。アルバム冒頭何曲かの完璧な流れは、今でも聴けば十分に持っていかれてしまう。


その後、個人的にロック自体をあまり聴かない時期になって、彼らの音楽ともご無沙汰だったけど、突如ものすごい新作をひっさげて目の前に再登場したのが、2013年の前作「A Lick and A Promise」だった。シルヴァー・サン、まだ同じ調子でやってたのか、しかもえらく気合いが入ってて良いじゃないか!と、これもかなり聴きまくった。そんな前作から7年(もうそんなに経ったとは)、昨日Spotifyでリリースされたばかりの新作が「Switzerland」。

11曲入り、29分という潔さ。爽快にかっ飛ばす曲が並んでいて、あっという間に聴き終わってしまう。新作も前作同様、ど真ん中のシルヴァー・サン、ぶれてなくてかなり良い!自分はアッパーな爆裂ナンバーばかりでなく、アコースティックな静かめの曲にも並々ならぬ魅力を感じるのだけど、今回はそういう曲はなし。ただ、アルバム中盤に入っている、ミディアムテンポの「Photograph」がとても良くて、今作では一番好きかもしれない。作者のジェームス自身にとってもかなりの自信作のようで、以下のツイートやSoundcloudで「ここ10年の中で最高の出来」と書いている。


「Switzerland」というタイトル、当初「Neo Wave」に付けられるはずのものだったと当時の日本盤ライナーに書いてあったけど、なぜか20年以上経った今になって復活してきた。制作中の「Neo Wave」を聞かせた人に「何だかスイスあたりまで連れて行かれたような不思議な気分」になると言われて、そのタイトルになりかけたようだが、今作では改めて、そんな気分になるものができたんだろうか。スイスでもUKでも、国内の他県でもいいから連れて行かれたい状況の今、こんなアッパーにどこかへと吹っ飛ばしてくれる新作を出してくれたのは嬉しい。

Soundcloudで先行公開された同曲とはミックスが違うようだ。こちらのアルバムバージョンはぐっとシルヴァー・サンらしい音になっている。間違いなく名曲。

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