Something Great From '68

明日から2週間、また米国出張に行く。昨日まであまりそのことを考えないようにしていたが、さすがに出国前日は支度をしないといけない。出張の旅支度は嫌いである。平穏な日常からひっぺがされ、働くだけのために異国にひとり放り出される。そこでなるべく快適に過ごせるように、思いつく限り役に立ちそうな品物を厳選して荷物に詰めるのだが、肝心なものをうっかり忘れて出国したりすることも、たまにある。手持ちの服も、日常生活では良くてもオフィスで着るにはボロすぎるのではないか、というものが多かったりする。あれこれ考えた挙げ句に頭がわーっと混乱しそうになったら、基本中の基本に立ち返る。とにかくパスポートとお金、これさえ忘れなければ、あとはどうにかなる。

前にも書いたことがあるが、仕事のために外国に行くことはプレッシャーである。ホテル暮らしもしんどい。しかし楽しいこともある。昨年はゾンビーズのライブが観られて、当時立ち上げたばかりの当ブログにライブレポートを書いた。ブライアン・ウィルソンのライブが観られた年もある。どちらの公演も出張最終日の夜、すべての任務から解放された最後の晩に、まるでご褒美のように幸せな偶然が重なった。そして信じがたいことに今年は、その両者がジョイントで、今月末から北米ツアーをするというのである。もしかして、これも……と一時は期待したが、今回の出張日程は奇跡に一歩及ばなかった。でも、いいのだ、自分はどちらも別々の機会に観ることができたのだから。

ブライアンとゾンビーズのジョイントツアーのタイトルは「Something Great From ’68」だそうだ。68年に出たグレイトなサムシング。ゾンビーズは言うまでもなく「Odessey & Oracle」。ブライアンのビーチ・ボーイズは「Friends」。どちらも大好きすぎる作品である。グレイトすぎるツアーである。観られたらどんなに良かっただろう。でもいいのさ。

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先日の夜、久しぶりに「Odessey & Oracle」をゆっくりと通しで聴いた。ゾンビーズは紛れもなく60年代ロックの大レジェンドなのだが、昔からなぜか身近な友達のように感じられる存在。実家に住んでいた20歳ぐらいの頃はよく、日が暮れてから真っ暗な神田川沿いを1時間半ぐらい散歩していた。必ずウォークマンを持って行って、色々なことを考えつつ音楽を聴きながら暗闇の中を歩いた。ゾンビーズの「Odessey」はそんなときの友だった。去年の9月、フィルモアで観たロッドの鍵盤、コリンのヴォーカルは、「往年のレジェンド」なんかではなく、今そこで音楽を生み出している現役感に溢れていた。そんな2018年現在の彼らに目の前で会えて、本当に嬉しかった。

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