日本酒も飲みたいが本も読みたい~サマー・オブ・ソウル

一日の生活を終えてあとは寝るだけ、という時間に日本酒を飲むのを生きる楽しみにしていることは、当ブログに何度か書いてきた。最後にその話を書いたときは、飲めない状態になっていた。引っ越しからまだ日が浅くて気持ちが落ち着いておらず、寝る前に飲むと真夜中過ぎに目覚めてしまって二度寝できない状態だったのだ。今では一転して、ほとんど毎晩飲んでいる。新天地でも好みの地酒を見つけることができたし、以前暮らしていた土地のお酒を売っている店も近場でいくつか見つけて、機会があるたびに買っている。旧居近辺のような素晴らしい酒どころではなくても、それなりに美味しいお酒を手に入れるのに苦労はしていない。睡眠障害もほぼ解消して、日本酒を飲むことに特に問題はない。ただ、また毎晩飲むことが習慣になってやめられなくなると良くないので、その辺のバランスが常々気にかかる。今はだいぶまた習慣化の方に傾いているので、修正したいと思っている。昨晩は、飲まずに寝てみた。少しだけ寝付くのに時間がかかったけど、大丈夫だった。大丈夫だと知っているのに、なぜか寝られないのではないかとすぐ不安になってしまう。

お酒を飲まなかった昨晩は、映画を観ていた。「サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)」という、1969年にニューヨークのハーレム地区で開かれた黒人音楽フェスのドキュメンタリーである。ビートルズの「Get Back」と同じ、ディズニープラスからの配信で観られる。そこからはポールの長時間インタビュー映像をおすすめされてきたけど、もうビートルズはたくさん観たし、ディズニーの仲間たちとは1か月で手を切りたいので、もう長時間ものはパスである。「サマー・オブ・ソウル」は前から観てみたかったし、2時間なら大丈夫だと思ったのだ。すでに、あと15分を残すところまで観た。一度見始めると本当にあっという間に引き込まれてしまう、凄いフェスである。こんな映像が50年も未公開だったなんて、とても信じられない。


ポールの回想録も面白いだろうけど、1969年のビートルズに直接つながるのはむしろこちらだと思った。「Get Back」第3話、ビリー・プレストンを加えたビートルズが「I have a dream」というフレーズをテーマに熱いジャムを繰り広げる、あの長い映画の中でも屈指のシーンがあった。ジョンとビリー・プレストンが歌っていたのはもちろん、マーティン・ルーサー・キング牧師の有名な歴史的演説からの言葉。「Get Back」を観ながら、あの演説について調べたところ、キング牧師が元々用意していた原稿には「I have a dream」のくだりは含まれていなかったらしい。会場で演説を聴いていたゴスペル歌手のマヘリア・ジャクソンが、「あなたの夢をみんなに伝えて」と叫んだことを受けて、キング牧師が即興で語り出したという(wikipediaより)。

そのマヘリア・ジャクソンが、「サマー・オブ・ソウル」には登場する。あの歌唱ぶりは「ソウルフル」なんて言葉ではとても言い表せない。その場にいる黒人観衆全員、さらに全世界の同胞たちのために全身全霊を投げ出したかのような、凄まじいもの。自分はキング牧師のことをもっと知らなければならない、と思った。マルコムXの自伝は去年の今ごろに読んだけど、キング牧師やワシントン大行進に対しては否定的に書かれていた。おそらく、この二人は表裏一体の関係なのだろう。今こそ、もっとよく知りたい。本を読もう。読む本があるということは、お酒の量が減るということでもある。お酒が入ると、ただでさえ老眼なのにさらに文字が見えづらくなり、読書が捗らないことこの上ないのだ。お酒も飲みたいが本も読みたい。飲むばかりでなく、読んだり飲んだりするぐらいがちょうどいい。


「サマー・オブ・ソウル」には、エドウィン・ホーキンズ・シンガーズの「Oh Happy Day」も登場。ジョージの「My Sweet Lord」のインスピレーションになったのは、どう考えてもシフォンズじゃなくてこっちだろう、と改めて思った。その「My Sweet Lord」を含むジョージの曲をたびたびカバーした、ニーナ・シモンの演奏シーンも観られる。ど迫力で本当に格好いい。

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