Teenage Fanclub「The Sun Shines From You」

今日は所用で自宅と八ヶ岳山麓を車で往復して、道中ずっとティーンエイジ・ファンクラブを聴いていた。TFCと出会ったのは「Bandwagonesque」から。ニルヴァーナ、ダイナソーJr.、ピクシーズと近しい部類の、歪んだギターで極上メロディを歌う4人組。そんな認識で聴いてきた自分は、97年の「Songs From Nothern Britain」から気持ちが離れ始めた。このアルバムも評価はとても高いし、曲の良さは変わらないけど、当時の流れからすると姿勢がレイドバックしすぎに感じられてきたのだ。2000年の「Howdy!」でその傾向が決定的になって、いったん自分の中でTFCは終わってしまった。当時の自分には、TFCが90年代のテンションを維持できず、失速したとしか思えなかった。

「Howdy!」の良さがわかるようになったのは本当に最近のことである。最新作の「Here」はしみじみと良い作品だし、一昨年の来日公演、自分は20年以上ぶりに生のTFCを見たのだが、本当にすばらしかった。「Here」とあのライブの良さは「Howdy!」以降のTFCの良さが年月を経てぐっと深まった結果だと思った。「Howdy!」は「失速」ではなく、TFCが次の段階に進むためのシフトチェンジだったのだ。リアルタイムでそこに気づけなかった自分はダメなTFCファンだった。でも今はわかった。そして、そんな現在のTFCのキーマンは間違いなくレイモンド。これもそのライブを観てハッキリした。彼の存在感がバンドを引っ張っていたし、ライブ映えするとは言えない地味なレイモンド曲で、彼の歌と演奏に会場全体がぐっと引き込まれるさまも目の当たりにした。レイモンドの存在が大きくなった、すなわちレイモン度が高いのが近年のTFCなのだ。

昨年秋、ジェリーがTFCを脱退するというまさかの大事件があった。ビートルズからポールが抜けるようなものである。率直に言って、あり得ない。これをどう受け止めて良いのか自分は全然わからなくて、来月の来日公演もどうしようかつい先日まで迷っていた。しかし、せっかくまたリアルタイムで同調できたTFCの現在をしっかり見ておかなければ後悔することになりかねないと、行くことに決心してチケットを買ったばかり。単純にメインのメンバーが3人から2人に減った分、レイモン度はさらに高まるのではないかとも思う。いや、わからない。ジェリーのいないTFCが自分にはまったく想像できないので、とにかくこの目で確認してこようと思う。

寒冷地の冬、朝は氷点下10℃近くまで下がり、日中も0℃をちょっと上回るぐらいだったりする厳しい季節の真っただ中。石油ストーブで暖を取るばかりで太陽の暖かさなどほとんど忘れている。今日の車中では「Howdy!」と「Here」を聴いていた。弱い日差しの下で雪をかぶった山々を眺めながら聴くのにとても似合う2枚。レイモンドの「The Sun Shines From You」は、「Howdy!」発売当時に聴いたときは全然印象に残らなかったが、聴けば聴くほど好きになっていく曲で、今日も「僕の心の空はいつも青空/僕の世界では君から太陽の光が降り注ぐ」なんて歌詞、とても素敵だなあと思いながら聴いた。寒空の下でも暖かい日差しが確かに感じられる、レイモンドの慈愛あふれる曲。そう、レイモンドからも確実にジョージを感じるのである。

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道中の風景。どんど焼きの季節

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