先行公開の未発表バージョンを聴いた:The Beatles「Got To Get You Into My Life (Second Version / Unnumbered Mix)」

何だか今月はビートルズ話ばかりだけど、近日公開の「Revolver」スペシャル・エディションで初めて聴けるようになる未発表バージョン集から、「Got To Get You Into My Life (Second Version / Unnumbered Mix)」というものが昨日から先行公開されている。


「Anthology 2」で世に出た、オルガンをバックにした音数の少ない演奏とはまた全然違ったアレンジ。あれが第1バージョン、今回のものが第2バージョンということなのだろう。ドラムとベースの基本的なリズムトラックはどうやら正式バージョンと同一のようなのだけど、ブラスがまったく入っていなくて、ローリング・ストーンズの「Satisfaction」を思わせる単音のファズギターが代わりに入っている。これはとりあえず仮に入れておいたものだろうな、という感じ。「Anthology」バージョンと共通するコーラスアレンジが採用されていて、自分は「every single day of my life」のところのハーモニーが大好きなので、これは嬉しい。「Woo!」の歌い方とか、初期ビートルズっぽさがまだ残っていて良い。そして、気付いた人も多いだろうけど、歌の合間に入るギターのフレーズが、「Paperback Writer」のリフと同じ音型になっている。オクターブは1つ上だけど、基本的に同じフレーズなのである。これにはちょっと驚いた。

ビートルズ、特にこの超クリエイティブな時期の彼らが、同じフレーズを2つの曲で使い回すなんてことを許すはずがない。つまり、これもとりあえず適当に穴埋めで「Paperback Writer」のリフを入れておいたのか、そうでなければ当初は「Got To Get You Into My Life」に使うつもりだったリフを、後で別の曲に移し替えたことになる。録音順を調べてみれば、「Got To~」のベーシックトラックは4月8日、「Paperback Writer」は4月13日に録音されている。「Paperback Writer」の録音の際に、5日前にやった「Got To~」のフレーズがはまるということになって、「Got To~」は別のアプローチで行くことにしたのかもしれない。その結論として、あのど派手なブラスが鳴り響くアレンジにたどり着いたのではないか、と想像してみた。この曲の最終的な形では、ギターブレイクは終盤に1回登場するだけで、音が重ねられて「Paperback Writer」と完全に同じフレーズには聞こえなくなっているので、この2曲がこんな風に近しい関係にあったとは、今まで全然気付かなかった。ほんとにビートルズって、何十年聴いていても「えっ、そうだったのか!」という事実がぽこぽこと出てきて、いつまでも延々と面白く楽しめるなあ。

これと同時に、「Yellow Submarine」の曲作りメモ的なテープも公開されている。みんな一緒に黄色い潜水艦、とは似ても似つかぬ、ジョンのひとりぼっちの世界。「In the place where I was born/No one cared, no one cared/And the name that I was born/No one cared, no one cared(僕の生まれたその街では/誰も構ってくれなかった/僕に付けられた名前も/誰も気に留めなかった)」なんて歌詞の、物寂しい3拍子の歌としてスタートしていたのだ。

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