日本酒を飲みながらピーズを聴いて音楽配信について考えるなど

夜に飲むお酒のことを前回書いたときは毎晩飲んでいて、改めたいと思っていたところだった。実際、その記事を書いた後から一晩おきに飲む生活に戻すことができ、数週間経った。また悪い習慣になりそうだったのを軌道修正できたし、飲む量が半分になるので酒代の節約にもかなりなるし、良かったのだけど、昨晩はちょっとしんどい気持ちだったので二晩連続で飲んでしまった。まあ、機械じゃあるまいし、定期的に油を差すだけでは無理なときもある。ストレスが溜まれば我慢はしない。逆にお酒というストレス発散法を自分は持っていて良かったとも思う。解消はしないけど、少しは発散になる。


昨晩は日本酒を飲みながら「日本酒を飲んでいる」が聴きたくなり(そのまんまだ)、ピーズの「とどめをハデにくれ」をかけたのだが、実はこのアルバムのCDを自分は持っていない。アルバムが出た1993年当時はCDレンタル全盛で、まだピーズにそれほど親しんでいなかった自分は、とりあえずレンタルで借りてテープにダビングし、それを聴きまくっていたのだ。結局そのままCDは買わずじまい。近年このアルバムが自分の中で再浮上してきて、聴きたくなったらSpotifyで聴いていた。Spotifyの利用をやめた今、聴く手段はYoutubeしかない。大量に持っていたテープもカセットデッキもとっくの昔に処分している。だから今さらCDを手に入れたいと思うのだけど、見た限りネット通販で買えるのは中古盤だけ。どうやら、この名作中の名作が、発表後30年近く(!)経過した今となっては新品では入手できないようなのだ。デジタルで購入しようと思っても、MP3ファイルだけで2100円もするので手を出しづらい。こういうのが手軽に聴けるのがネット音楽配信の有り難さだったなあと思う。

自分がSpotifyの利用をやめたのは、すでに何度か書いたとおりニール・ヤング削除騒動とは関係なくて、CEOがAI軍事企業に大金(1億ユーロ、問題のポッドキャスト独占配信契約の1億ドルとほぼ同等の金額)を投資して取締役に就任、ということを昨年末に知ったから。もっと言えば、こういうことをツイートひとつで誇らしげに発表して、音楽にお金を払ってきたと思っていたユーザーから抗議の声が上がっても何一つ詳細の説明をしない(少なくとも昨年末の時点では)という、CEOのダニエル・エクという人物の無神経さに耐えられなかったのである。配信からミュージシャンが得る収入があまりにも少ないと批判の声が上がったときにも、エク氏は「それならもっとたくさん新曲を作ればいいじゃない」と言い放っている。こういったことの積み重ねだ。ニール・ヤングかポッドキャストか、選択を迫られて一も二もなく偽情報ポッドキャストを選んだおかげで大々的に知れ渡ることになったけど、エク氏の音楽に対する態度に難があることは前々からわかっていた。おそらく、音楽好きのユーザーの顔があまり見えていないのだろう。

上に書いたように、自分は昔から「新品のCDやレコードを買う」という正攻法以外の手段もたくさん使って音楽を手に入れてきた。その時代に使える手段は有料無料問わずあれやこれやと使った。ラジカセでのエアチェックに始まり、図書館、レンタル、中古盤、さらにネットが普及したばかりの頃にはNapsterなんてものにも手を出した。そんなことを散々やってきた自分が今さら、音楽配信もいいけどCDやレコード、Bandcampにもお金をもっと使いましょう、なんていくら言っても偽善もいいところだ。何の罪滅ぼしにもならない。でも、ピーズの「とどめをハデにくれ」みたいな大切な作品に対しては、今からでも新品CDを買ってきちんとお金を払い直したい気持ちがある。ピーズについては先日、すばらしいインタビュー記事を教えていただいて読んだばかり。

ピーズの新作『2021』が完成するまでの道のりと、バンドが終わらない理由|音楽と人.com

記事にあるとおり、彼らは大きな紆余曲折を経ながら今も活動を続けている。1993年の「とどめをハデにくれ」は中古でしか手に入らなくても、幸いにもピカピカの新作を手に入れることができるのである。ただ、記事にある新作「2021」は今のところ、バンド公式の通販かライブ会場の物販でしか入手できないようだ。以下で「さわり」を試聴できる。


というわけで、送料かかるけど、自分は「2021」を通販で購入したところである。これもまた、今を逃すと二度と手に入れられないのではないかと思った。今のところ、ネットで聴けるのは「さわり」すなわち収録曲の一部分だけで、全編を聴くにはCDを買うしかない。「さわり」をちらりと聴いただけでも、今でもいい曲、いい声、いい演奏だということはよくわかった。CDが届くのを楽しみにしている。

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