ディズニーランドへ

息子の誕生日にはモノやお金をあげる代わりに、楽しい体験をしてもらって後々まで思い出が残ればいいと思って、例年は各地に旅行をしていた。息子は大の鉄道好きなので、楽しく乗車体験ができる場所を見つけて泊まりがけの遠出をしていたけど、今年は関東圏内でもわりと奥まった地域に引っ越したばかりで、誕生日付近に連休もないし、どうしても良い行き先が見つからなかった。しょうがないので鉄旅は諦めて今年の目的地に選んだのが、自宅から日帰りで行けるようになったディズニーランド。普段の生活風景からすると唐突すぎる世界なのだが、決して縁がないわけではない。自分が小学校高学年だったころに開園して、当時は同じ県内に住んでいたので、学校の遠足で行ったり、両親に連れて行ってもらったりと、何度か訪れて楽しんだことがある。もはや50歳も目前のすっかりくたびれた大人になってしまったけど、楽しかった思い出のある昔なじみの場所だから何とか大丈夫だろう。今回は思い切って、子供時代の思い出を再訪することにした。

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園内ではやはりミッキー耳の若者たちの大群に気圧されそうになるのだが、こちとら昭和の時代からここに来てるんだよ、イッツアスモールワールドとか当時のまんまじゃないか、当時はなかったものもずいぶんあるけどね、と心の中でオールドタイマー気取りになることで、場に飲まれないように落ち着いたポーズを維持する。そもそも、東京やその近郊で育った人間にとって、子供時代の思い出の場所というのはどんどん変わって消え去ってしまうのが当たり前。40年近く前の小学生時代の記憶から変わらないものが現存するというだけでも、自分にとっては貴重な場所だった。

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誕生日の息子が主体だから中学生のペースに合わせなければならず、ろくな食事も取らずに園内全域をあちこち歩き回って、山登りよりもよっぽど体力を消耗した。映像と重力と振動の組み合わせで激しく振り回されるような感覚の宇宙飛行ができる、スターツアーズというアトラクションを息子がやたらと気に入って3回も乗ることになり、それに付き合っていたら3回目には乗り物酔いのように気持ち悪くなってしまった。そのあたりで疲れ果てていったん心が死にかけたが、夕暮れになって空が暗くなると園内はキラキラと光輝く世界に一変し、幻想的な美しさに気持ちも復活してきた。きらびやかなエレクトリカルパレードを垣間見ることもできた。昨年から1年8か月休んでいたというパレードは、コロナ対策で沿道の地べたに座って来るのを待つことになっていて、少し冷え込んできた中でそれはちょっと嫌だし、とにかく1つでも多くのアトラクションを楽しみたい息子はパレードなど眼中にない。それでも、園内列車に乗っていたらタイミング良くパレードに行き会わせたので、高みの見物ができた。まるで光の御神輿が運ばれているようで、これはお祭りなのだなあ、と思った。毎晩、ここにいる人々は夜祭りを楽しんでいるのだ。そんなこんなで閉園時間までどうにか楽しめた。体力的に相当しんどかったが、やり切った感があった。

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最近は感染者数が謎の激減を遂げているとはいえ、ディズニーランドという別世界の中では、コロナ禍という現実などまるでなかったかのようだ。もちろん入場者の中でマスクをしてない人は見かけなかったし、各アトラクションの入口にはおなじみの消毒液が必ず置いてあったし、列に長時間並ばなくて済むようにスマホアプリを駆使した対策がなされていた。入園前にはまず検温に並ばされた。全体の入場者数も制限されていて、チケットの入手にはだいぶ苦労した。それでも、コロナ禍の中で暮らしている感覚からすると人出はかなり多かった印象。息子も含めてワクチン接種は完全に済ませた上で臨んだけど、結局は音楽フェスに行くのと大差ないことをしたのかもしれない。そのことについて自己弁護をするつもりはない。行くことを推奨するわけでもない。息子の誕生日にどこか楽しい場所に行く必要があったから、アクセス集中でつながらない予約サイトで数時間粘ってどうにかチケットを手に入れ、大枚はたいて、入れたから入った。そこに行った、大変だったけど楽しんだ、という事実をただここに書きたかったから書いた。


ちなみに、さすが「アメリカの魂」だけあって、ディズニーランドにいるとビーチ・ボーイズを感じることも時折あった。西部開拓時代をテーマにしたエリアは特に「SMiLE」の世界を思い起こさせたし、もちろん「Disney Girls」を忘れるわけがない。

現実は 僕には向いていない
おかしくて笑ってしまうんだ
空想の世界と ディズニーの女の子たちに
僕は戻っていくよ

ディズニーランドは、どんな現実でもひとときは忘れさせてくれる強力な逃避空間。小学生時代の思い出の場所。当時と変わらないところはほとんど変わらず昔のままだったけど、外の世界はすっかり変わってしまったし、自分もずいぶん年を取った。もう戻れないことは十分すぎるほどわかっている。またいつか、何かの拍子に訪れることはあるんだろうか。もしまた10年、20年後に訪れたとしても、変わらずあのままだろうか。

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