Traveling Wilburys「Inside Out」

ウィルベリーズの代表作といえば圧倒的に「1」だろうけど自分は「3」が大好き。前にも書いたとおり、バンドとしてまとまっている感じがするから。ずいぶん乱暴にビートルズで例えれば、「1」ではホワイトアルバムだったのが「3」ではラバー・ソウルに逆戻りしたような。自分はビートルズではラバー・ソウルが一番好きなので、ウィルベリーズも「3」が好き。ディランがものすごく楽しそうだし。


この「3」でのウィルベリーズのバンド感は、「Inside Out」のビデオを見ればよくわかる。ドラマーのバスター・サイドベリーことジム・ケルトナーも、ビデオでは完全にメンバー扱い、渋すぎるドラミング姿をのっけからたびたび見せてくれる。自分が一番ぐっと来るのは、左右2本のマイクの間をジョージが往復しながらコーラスを務める姿である。最初はトム・ペティと2人で仲良くギターをじゃかじゃかやっているが、サビ前のコーラスでは右のマイクでハーモニーに参加。続いてトム・ペティが歌うサビになると、さっと左のマイクに移動してディランとジェフ・リンに加わり、3人で一本のマイクを分け合う。ミドルパートではジェフ・リンを伴ってソロヴォーカルも披露。ソロパートが終わるとまた素早く左によけてトム・ペティにマイクを譲る。この変幻自在な姿がたまらないのである。ビートルズでのジョージも、こうやって複雑に上下左右に動きながら、込み入った3声コーラスの中で重要な役割を担っていた。ジョンとポールが歌っていない音を見つけてハーモニーに加わらなければならなかったから、ジョージは大変だったのだ。そこで鍛えられたフレキシブルさの一端が、あの左右マイク間のさりげない移動に垣間見られて、すばらしい。

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さて、ラッキー・ウィルベリー(「3」のときはブー・ウィルベリー)こと、ディラン。ほんとに、かくなる上は仕方ない、としか言いようがない。もうずいぶん前から覚悟していたから、公演キャンセル自体についてショックとか落胆とかはそんなにないけど、とにかく楽しいことはあれもこれもキャンセル・延期・自粛のご時世である。ほんとに「Don’t it make you wanna twist & shout, when you’re inside out」の心境。まさに毎日があべこべのしっちゃかめっちゃか、やみくもにツイスト&シャウトしたい衝動にかられそうになるが、仲良くマイクを分け合うジョージとディランの顔を見ていれば、何だかんだあっても大丈夫だ、という気持ちになる。

下のInstagram投稿にあるとおり、今日はジョージがあのフライアー・パークの自宅庭園、数々の名曲を生み出したインスピレーションの源、心のよりどころだったお庭に出会ってから、50周年の記念日なのだそうだ。今度もまた、オリヴィアさんが教えてくれた。綺麗な虹が出て、この素敵な記念日を祝ってくれたようだ。こういう色々な記念日を覚えていて大切にするハリスン家の暮らしぶりも伺えて、微笑ましい気持ちになる。投稿にはテンパス・フュージットという言葉も添えられている。先日、この言葉をタイトルにした曲について記事を書いたばかりの自分にとっても、素敵な偶然。まだまだこんなこともあるから、大丈夫。

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