貧しいガキに何ができる?

ロックンロール・バンドで歌う以外に、と68年のストーンズは歌った。ミック・ジャガー自身もロンドンでのベトナム反戦デモに参加して、フランスでは学生が主体となった五月革命が起こり、そんな街頭での変革の気運がこの曲を生んだ、とWikipediaには書いてある。当時は日本でも学生運動が盛んだったという話は親から聞かされた。自分が生まれる少し前、今から50年前の話。今、この曲のリリックビデオをストーンズが公式にリリースしている。当時とはまったく時代状況が違う。ミック自身も95年には「今の時代に共鳴する歌とは思えない」と語っていたらしい。ではなぜ今。


自分も2003年のイラク戦争をどうしても止めたくて、東京で反戦デモに参加したことがあった。既成の政党が主催したもの。そこで見たのはやはり親世代の学生運動ノリ。今、イラク反戦を本気で訴えよう、という感じではなく、若者を集めるための口実としか思えなかった。今でもその政党のことを嫌いではないけど、あのときは相当ガッカリした。当時のままではダメなのだ。

今、眠たいロンドンに居場所がない貧しい少年はロックバンドで歌う以外に何をするか。ネットで共鳴した過激派に参加するかもな、とそのビデオを見て自分は思った。ミックが言うように、ストリートファイティングマンの時代ではないのだ。当時の言葉を今そのまま叫んでも誰も聞いてくれない。状況が違いすぎる。でも、当時の音楽を心から愛して何千回と聴き続けているうちに、その時代の音楽が目指していた意図だけは自分の中に染みついているように思う。それは「戦争はやめよう、自由は誰にも侵せない尊いもの」ということ。言葉にすると何と陳腐なことか。でも、こんな時代に何を言ってるの、ではない。こんな時代だからこそ、言い続ける。50年前の言葉そのままでは通じない。今を生きる世代が、今を生きる自分の心からの言葉で言い継いでいくことが必要。そんなことをあらためて思った。自分は確かに受け取ったものがある。それを少しでも今に有効な形で伝えられないものか。あまりに微力で、どうしたらよいのかはわからないけど。

夢は世界平和。今こそ、ひっそり言い続けようと思う。とりあえず、ネットの隅っこの方で、言葉にするだけでも。どうせ見るなら悪夢ではなく良い夢が見たい。5年後、10年後に自分が生き残るためではなく、50年後、100年後、子供や孫やその先の世代に平和な世界を渡して去りたい。

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