訳詞:Musical “Hair”/The Lemonheads「Frank Mills」

レモンヘッズが1992年にリリースした「It’s A Shame About Ray」は、自分にとっては永遠の名盤。リリース当時に出会って以来、未だに愛聴している大好きなアルバム。当時はニルヴァーナ狂いだったので、そういう文脈で知った作品だけど、ずっと飽きずに聴き続けてきた年月の中で、グランジだとかオルタナだとかいった時代の匂いはすっかり抜け落ちてしまい、みずみずしい音楽だけが自分の中に残っている。30年近く経ってあらためて聴けば、本質は普遍的なフォークロック以外の何ものでもなかったことがわかる。それで良い。

本作のタイトル曲は、かつて当ブログでも大いなる思い入れをもって紹介してきた、西友BGMのある月のプレイリストに採用されたことがあった。そのとき自分が驚喜したのは言うまでもない。タイトル曲とともに「It’s A Shame About Ray」のフォーキーな雰囲気を象徴していたのが、アルバムの最後に収録されていた「Frank Mills」だった。イヴァン・ダンドゥの声の良さが際立つ、ギター弾き語りのシンプルなアレンジ。オリジナルは1960年代後期のミュージカル「ヘアー」の曲だそうだけど、自分はそのミュージカルを観たり聴いたりしたことがない。歌詞に「ビートルズのジョージ・ハリスン」が出てくるので、一体どんなことを歌っているのだろう、と自分が気にならないわけがなく、歌詞の内容がよく頭の中をめぐっている。だからあらためて訳してみることにした。

フランク・ミルズという男の子に出会ったのは
9月12日 ちょうどこの場所
ウェーバリーの前にいた
でも彼の住所はなくしてしまったの

彼を最後に見かけたときは友達と一緒にいた
ドラマーの彼はビートルズのジョージ・ハリスンに似てるけど
背中まである髪を小さなリボンで束ねてた

彼のことは大好きだけど
一緒に街を歩くのは恥ずかしかった
ブルックリンのどこかに住んでて
白いバイクのヘルメットをかぶってた
ゴールドのチェーンとレザージャケットで決めていて
背中には名前が書いてあった
「メアリー」「ママ」「ヘルズ・エンジェルズ」って

もし彼を見かけたら こう伝えてくださるとうれしいです
私は女の子の友達とあの公園にいるって あと
アンジェラと私に2ドルは返さなくていいから 取っておいてと



この映像の中にレモンヘッズがバンドバージョンで「Frank Mills」を演奏するシーンが少しだけ出てくる

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