訳詞:The Beach Boys「You Need a Mess of Help to Stand Alone」

前回上げた40代最後の記事に書いたように、ビーチ・ボーイズが今からちょうど50年前の1972年5月に出したアルバム「Carl & The Passions – So Tough」は、リリース日が自分の誕生日とまったく同じ。そこから最初のシングルとしてカットされた「You Need a Mess of Help to Stand Alone」もアルバムと同時発売だったようで、自分はこの曲と同日にこの世にリリースされたことになる。すごく良い曲だし、歌詞を読んでも、うむ、と現在の自分にはとてもうなずける内容に感じる。自分の50代最初の記事では、お互いの50周年記念としてこの曲の歌詞を訳してみた。

この曲はブライアン・ウィルソンとジャック・ライリーの共作で、歌詞を書いたのはライリーだという。70年代前半の数年間、ビーチ・ボーイズのマネージャーを担当していたライリーは自身もミュージシャンで、「Surf’s Up」(1971年)収録の「A Day in the Life of a Tree」ではヴォーカルも取っている。当時のビーチ・ボーイズは、世間一般には完全に過去のバンドと見なされていたようで、「You Need a Mess of Help to Stand Alone」のシングルもヒットチャートにかすりもしなかった。1972年の世界では、この曲は失敗作だったのかもしれない。でも、同時代に受け入れられなかったからといって、それがどうした。リリースから50年経った今聴いてもこんなに力強くて格好いいのだから、この曲は大成功なのだ。当時のラインナップ、リッキー・ファターとブロンディ・チャプリンを擁するビーチ・ボーイズが翌1973年に残したライブ盤「The Beach Boys in Concert」も、最高にパワフルな名演である。

優しく吹いてくるそよ風が必要だ
僕の風向計が回り続けるように
たっぷり照りつける日差しをくれ
僕の日時計が刻々と進み続けるように
まず土がなければ植物は育たないし
ろうそくを灯すには火花が必要

不安は去り 涙が流れた
ごまかしてる場合じゃない
ひとりでまっすぐ立つには 山ほどの助けが必要なんだ

パチパチと燃える炎が必要だ
僕の心が冬の寒さに凍えないように
ざあっと大粒の雨を降らせてくれ
僕の川が流れを絶やさないように
話し相手がいなければ僕の電話は鳴らないし
僕の声で歌うには君の歌が必要

どうかわかっておくれ
放っておかれたら死んだも同然
ひとりでまっすぐ立つには 山ほどの助けが必要なんだ

彼女は僕を知らない
彼女は知らない

君の暖かい微笑みが必要だ
悲しみで凍傷にかかった心が温まるように
君の手を僕の肩にかけてくれ
今日が明日へとつながるように
君の強さがなければ僕は道を逸れてしまうし
僕の欠点をぶっ飛ばすには君の信頼が必要

信じてもらえて 涙が流れた
ごまかしてる場合じゃない
ひとりでまっすぐ立つには 山ほどの助けが必要なんだ

彼女は僕を知らない
彼女は知らない

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