長野県栄村、日本最高積雪7.85mの地で震災のことを思う

先日、旅の途中に立ち寄った、飯山線の森宮野原駅。日本最高積雪地点の碑が立っていた。7メートル85センチって、どれだけ。この日は、今年の初雪だった。

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駅前に「震災復興祈念館」というものが建っていて、はて、なぜここで震災?と初めは思った。建物の中に大きな書が掲示されているのが見えて、「栄村」の文字。……思い出した、長野県内のここでも震災があったんだ。

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建物の中に入ってしばし展示を眺める。

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2011年3月12日の未明、あの東日本大震災の翌日、ここ栄村でも震度6強の誘発地震が発生。甚大な被害があったことを伝えるための展示だった。雪深い信州の村で3月のまだ寒い時期、それも明け方の4時前に家を破壊されたのだ。「寒さとこわさでからだが震えた」という言葉が胸に迫る。直接の死者はいなかったが、避難生活中に3名の方が亡くなっている。

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自分も同じ長野県内で暮らしているが、もしそんな大震災が来たら、いま住んでいる古い借家は明らかにもたないだろうと思う。もともと東京で暮らしていたが、東日本大震災があった頃は海外在住だった。家を借りたのはまだ帰国して間もなかった頃で、震災のことはどうしても実感として遠くに感じられた。日本に身を置いて色々と見聞きしたいまは違う。備えられるだけの備えはしなければと思っている。

長野・栄村「復興元年」目指す 大地震から1年:日本経済新聞

震災翌年に書かれたこの記事にある「がんばろう栄村 駅前店」、自分も展示を見た後に訪れて買い物をしたお店だった。現在も生鮮食品をたくさん並べて営業していた。新潟産梨、1個100円、安い。2個買いました。新潟産の蓮根も購入。

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震災前に2店あった生鮮食料品店はどちらも被災して廃業。震災翌年の2012年にこのプレハブ店舗が開店するまで、村内で生鮮食料品が買えない状況だったと記事にある。買い物したとき、そこまで大事なお店だとは想像できてなかった。もっと色々買えばよかった。

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長野県産の長芋、3本で1580円。このボリュームでこの値段は安い!けど、フル長芋3本はなかなか消費しきれるものではなく断念。でも買っとけばよかったな。

復興の願い、灯明に込めて 長野県栄村 震災6年:日本経済新聞

去年3月12日の震災関連記事。「震災復興祈念館」のことも書かれている。

自分はいままでの人生で災害に一度も遭遇したことがない。大きな災害に遭うのがどんなに大変なことなのか、想像することしかできない。被災された方の話を聞けばもちろん心が痛むが、被災体験はどうしたって自分のものとして共有できない。せめてその痛みに無頓着にならないように、思う心は持ち続けていたい。それに自分だっていつどこで大災害に遭う運命かわからない。

栄村は「忘れられた被災地」とよく呼ばれているようだ。こうやって思いがけず栄村を訪れて展示を見ることができたのも何かの巡り合わせ。自分は栄村のこと、震災のことをできるかぎり忘れないようにする。

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