またしても千葉が

昨日の大雨で命を奪われてしまった方々のご冥福をお祈りします。

何度か書いたけど、小学校3年生から6年生の途中まで千葉県内に住んでいた。近年は出張でたびたび成田空港に行く。帰国するたびにまず上空から銚子の犬吠埼の地形を眺め、成田周辺の細かく整然と区切られた田畑を見て、日本に帰ってきたなあと思う。

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空港を出て、住んでいた土地の近辺を電車で通れば、当時とほとんど変わらない沿線の風景に懐かしさを感じて写真を撮ったりする。

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上は今年の9月8日、台風15号に襲われる前日夕方の風景。翌日からの千葉の惨状を思うと何ともいえない気持ちになる。当地で暮らしていた小学生時代の自分は相当な鉄道ファンで、よく朝5時台に起きて自宅を出て、崖を降りて田んぼの中にある踏切まで行き、特急電車(当時はエル特急といった)の通過を待っていた。この写真は、車中の人となってその踏切の近辺を通ったときに撮った。踏切に行っていたのは平日の登校前のことだったが、早起きにまったく苦を感じなかった。のちに東京に移って都会暮らしになってから、登校や買い物といった日常生活で電車に頻繁に乗るようになり、鉄道はどんよりとした灰色の日常風景の一部になった。その時期を境に鉄道自体への興味も冷めてしまったのだが、千葉にいた頃、早朝の踏切で特急電車に抱いていた憧れの気持ちはよく覚えている。ローカルな鉄道は今でも好き。

千葉に住んでいた期間は短かったけど、成長期だったので自分の大切な一部になっている。毎年夏に泊まらせてもらう父の農園も県内にあり、縁の深い千葉が繰り返し災害に襲われる最近は気が気でない。暴風の次は大雨。今朝見たニュースでは、小学生時代に祖父とヘラブナ釣りをした思い出がある穏やかな川があふれ、周辺に浸水被害を及ぼしたという。早朝のエル特急を見に行った踏切も、そのすぐ近くである。当時はバスも大好きで、登下校時に運行中のバスをよく見ていて車両番号と車体を全部記憶していたほどだったが、そのバスの車庫が茶色い池のようになって数台のバスが水に浸かった写真も見た。最近は本当に、地名を見ただけで風景をはっきり思い出せる場所が災害ニュースに出てくることが多くて、これまで穏やかだったはずの身近な土地が、激しく変化する自然の猛威にさらされていることを実感する。それなりの心構えが本気で必要になっている。

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