今年の蓮は咲くだろうか

3~4年前からベランダで細々と蓮を育てている。元は種から発芽させたもので、毎年春になるたびに新芽が出て、大きな立ち葉も出るのだが、まだ花を咲かせたことは一度もなく、晩秋になると枯れ、室内で冬越しさせ、春になるとまた新芽が出て……というサイクルを毎年繰り返している。春から夏にかけて、ある程度まで育つと勢いが弱まって、花が咲くまでに至らない。難しいものだ。蓮の種を発芽させるのは、割と簡単。朝顔の種と同じように、硬い殻を紙やすりで削って発芽処理をして水に浸けておくと、かなりの確率で芽が出てきて育ち始め、しばらくすると丸い葉と白い根が出てくる。

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これを蓮鉢に植え付けるのである。自分が蓮を育て始めたのは、奈良の生蓮寺さんというお寺が蓮の種を郵送で配布していることを知り、それに申し込んだのが発端だった。奈良のお寺で生まれた種から蓮を育てて、綺麗な花が咲いたら素敵じゃないか、と思ったのだ。育て方もホームページで公開してくれていたので、その通りにやった。そのお寺の種はうまく発芽して植え付けまではできたものの(上の写真はその当時、2017年9月に撮影)、育て始めた季節が遅かったせいで生育途中で冷え込んできて、残念ながら冬になる前に枯れてしまった。翌年の春、今度は近所で散歩中に拾った蓮の種で再チャレンジ。今回は夏にばさばさと大きな立ち葉が出るところまでは順調に育ったのだが、やはり花は咲かず。この当時のことは、立ち上げたばかりの当ブログに書いたこともあった(2018年11月の記事)。そこに書いたように、ボウフラ対策で飼い始めたメダカが、蓮そっちのけですっかり可愛くなってしまった。結局、今の新居にもメダカ入りの蓮鉢を運んできて、現在もベランダでは5匹のメダカが元気に泳いでいる。蓮の浮き葉の裏に卵が産み付けられているのを見つけて、別の水槽に移して、今年も稚魚を育てようとしている。生まれてくるのが楽しみだ。

蓮のほうは、メダカと同じ鉢で共存している以上、もっと生育を良くしたいと思ってもあまり大掛かりなテコ入れができずにいる。今年も大して期待はしていなかったが、5月に入るあたりから動きが出てきた。大きな立ち葉が次々に出てきて、かなりいい具合なのである。

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上の写真で、水面に浮かぶ茶色いものはゴミではなくてメダカのえさ。こんな立派な葉が例年より早い時期に育ち始め、もしかして今年こそは……と期待させるものがある。やはり、寒冷地よりも温暖な土地の方が蓮は育ちやすいのかもしれない。しかし蓮という植物はなかなか一筋縄ではいかず、こうやって期待させておきながら突然勢いが弱まったりすることも非常に多くて、今回もまだ半信半疑だけど、環境が変わったことは大きな期待要因である。今年こそは、蓮の花が咲くところを見たい。発芽させた蓮の種を拾ったのは、旧居の近所にあった蓮の群生する川のそば。そこの蓮は、毎年夏になると言葉で表せないほど美しい花をたくさん見せてくれていた。

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毎年、本当に楽しみにしていた。新天地に落ち着いた今、ここの蓮の写真を見ると、何ともいえない気持ちになる。懐かしいこの場所にまた戻りたい。きっと夏になったら、この川をいつかまた訪れよう。その頃には、ベランダで育てているこの蓮の子孫も、綺麗な花を咲かせてくれているといいな。

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